千葉雄大、ショートフィルム「あんた」で監督&主演。「覚悟をもって、全部やりました」

WOWOWで2月6日に放送・配信される「アクターズ・ショート・フィルム2」(午後5:00)で、千葉雄大が監督・脚本を務め、伊藤沙莉とともに主演を務めるショートフィルム「あんた」のポスタービジュアル、場面写真が解禁。撮影現場での様子もうかがえる2人のコメントが到着した。

今回、WOWOWが開局30周年を記念して行ったプロジェクト「アクターズ・ショート・フィルム」の第2弾では、千葉のほか、青柳翔、玉城ティナ、永山瑛太、前田敦子の俳優5人が、25分以内のショートフィルムで監督を務める。そして、世界から6000本超のショートフィルムが集まる米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア(SSFF&ASIA)」のグランプリ、“ジョージ・ルーカス アワード”を目指す。

スナックの雇われママの男(沖田修一)が思いをはせるのは、キャンプを楽しむ女(伊藤)と男(千葉)。恋人でもなく、友人というには軽すぎ、でも家族にはなれない。近くにいるのに遠く感じる。1人でも平気だと思っていたはずなのに込み上げる寂しさ。一生続くはずだった関係は、男の一言によって徐々にひずみが生まれていく――。

ポスタービジュアルには、キャンプ場で並んで座る2人の姿が。空を見上げる女と真っすぐ前を見つめる男の表情は、どこか感傷的で寂しげにも感じる。2人の心の揺らぎが表現され、想像かき立てられるビジュアルとなっている。また、場面写真ではキャンプを満喫する楽しげな姿も写っている。

千葉は脚本について「もともとエッセーやコラム寄りの文章は書き留めていたりしたので、その中から題材を選ぼうかとも思ったのですが、今回何をやってもいいという自由な企画だったので、新しいお話にチャレンジしました。パッと思い浮かんだのが、まず『ジェンダー』という言葉で。幼い頃から女友達が多い方なのですが。一緒に遊んでいるだけで『付き合ってるの?』とか『なんで女子とばっかりいるの?』と言われることもあって、そういうのって何でだろうなっていう違和感やモヤモヤとした思いを物語の軸にしてみようと思いました」と明かす。

出演もしているが、当初は演じることは考えていなかったそうで「脚本を書いているうちに、純粋にこの役やってみたいなという思いは生まれてはいました。そんな中、周りの大人たちの『千葉さんやるよね』の一声が背中を押してくれて…結果僕だけ、出たがりみたいになっちゃいましたけど(笑)」と経緯を語りつつ、「特に現場では、カメラが回る直前まで撮影の段取りをして、切り替えて役者に戻って自分でシーン終わりのカットを掛けて…というのは不思議な感覚でしたし、想像以上に大変で頭の中が混乱しちゃいました。でも、脚本・監督・主演と作品の全部に携わって、腹をくくれたのはよかったと思います。覚悟をもって、全部やりました」と手応えも感じた様子。

一方、伊藤は、共演経験もある千葉とは、脚本の段階からコミュニケーションをとっていたそうで、「台本が完成する前に何度か脚本を見せていただいていたので、会話のシーンがより自然になるように一緒に意見を出し合ったりもしました。周りの目を気にしながら生きることに対して窮屈さみたいなことを、千葉さんと話していたこともあったので、今回の『あんた』は自由の在り方を、千葉さん目線で表現した作品なのかなと受け取って撮影に入りました」と述べ、「千葉監督は役者をとても信頼してくれて、すごく自由に演じさせてもらった気がします。こちらも監督に信じてもらっていると分かると、心を開いて自然体で演技しやすかったです。また、千葉監督含めスタッフの皆さんも役者を信頼してくださっていると感じる現場だったので、皆さんの思いに応えたいなと思いました。現場づくりという面でとても優れた監督だと思います」と絶賛。

撮影に関しては、「和気あいあいとした和やかなシーンの撮影から一転してシリアスなシーンの撮影があったりして、感情の切り替えが難しかったですが、自然にできたらいいなと考えながら撮影に臨みました。友達同士でご飯を食べたり、お酒飲んだりして楽しい時間を過ごしていても、いきなり真剣な話になる時ってあるじゃないですか。その雰囲気をリアルに表現したいなと意識していました」と話し、「男と女が普段言えないようなことや感情をぶつけ合うシーンがあるのですが、千葉さんのあふれ出るような感情の表現が一緒に演じていて本当に素晴らしいなと思いました。ご自身が書いた役を千葉さんが演じていることは、とても意味のあることだとも感じました」と印象に残ったシーンを振り返った。

千葉は視聴者へ向けて、「初めて監督・ 脚本、そして主演もやらせていただいて、本当に楽しかったです。ご覧いただいた皆さんの目にどう映るのか、ドキドキしながらも楽しみです。『あんた』 は初めて見た時と、もう一度見た時でまた違う感じ方や、気持ちが生まれるような作品かもしれません。自分の人生と照らせ合わせながらご覧いただいてもうれしいですし、そうでなく自由に作品を楽しんでいただいてもうれしいです」とメッセージを寄せている。

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