米アンダーグラウンド・コミックを代表する漫画家を追う ドキュメンタリー映画「クラム」予告編

2月18日からリバイバル上映される、アメリカのアンダーグラウンド・コミックを代表する漫画家・イラストレーターであるロバート・クラムを追ったドキュメンタリー映画「クラム」の、予告編が公開された。

公開された予告編は、「クラムは現代の(ピーテル・)ブリューゲルだ」などロバート・クラムを高名な画家になぞらえる人々の言葉から始まる。過去に書いたコミックの原画が高値で取引されていることにいらだつ講演会でのクラム、性への強烈な執着が反映されたクラムの絵に対して「女への敵意、それも性的な」「嫌気がさして、気分が悪くなる」と語る女性の言葉、「僕を突き抜けて紙の上に出だがっているんだ」と語るクラムの言葉などが紹介される。

さらには、現実社会では許されない欲望を具現化したキャラクターを世に送り出していることに対して、「僕は監禁されるべきかもしれない」と自身について述べるクラムの姿も切り取られ、クラムに影響を与えた兄チャールズについても触れられる。ページをめくるにつれて、絵と文字の比率が逆になり、文字がどんどん増し、最終的には細かい文字の羅列だけになるチャールズのコミックや、一生のうちの大半を家に引きこもっていたチャールズも登場する。

「クラム」は、カウンターカルチャーを象徴するキャラクター「フリッツ・ザ・キャット」「ミスター・ナチュラル」を生みだし、ジャニス・ジョプリンのアルバム「チープ・スリル」のジャケットを手掛けるなど、1960年代後半のアメリカで脚光を浴びる存在となったロバート・クラムを追ったドキュメンタリー。クラムとともにストリングス・バンド「チープ・スーツ・セレネーダーズ」で活動し、のちに「ゴーストワールド」を手掛けたテリー・ツワイゴフが、監督を務めている。日本では、1995年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、1996年に一般公開された。

【作品情報】
クラム
2022年2月18日(金)新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給:コピアポア・フィルム オープンセサミ Lesfugitives
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