横須賀海上保安部の巡視艇「はかぜ」退役 東京五輪も警備 神奈川

解役式で巡視艇「はかぜ」の番号「CL37」を消す乗組員=横須賀海上保安部

 横須賀海上保安部は12日、巡視艇「はかぜ」(全長20メートル、総重量24トン)の解役式を行った。28年にわたり、海難救助や暴走する水上バイクの取り締まりなどに活躍。乗組員らが「海のパトカー」との別れを惜しんだ。

 船名は「葉山」が由来で、同名では2代目。1994年2月に就役し、5人乗りの海保最小の巡視艇として主に三浦半島で活動した。タンカー原油流出事故や、海自イージス艦と漁船の衝突事故など出動は計527回。救助した人は94人、船は61隻に達した。昨年は東京五輪・パラリンピックの警備にも携わった。

 解役式では乗組員が船尾の国旗と海保の庁旗を降ろし、船体に書かれた「CL37」の番号を消した。最後の船長となった永沼秀一3等海上保安正(39)は「最後まで壊れることなく勤めてくれた」とねぎらった。

 近々、後継の巡視艇が導入される予定。後継船には、レーダーや夜間監視装置などの電子機器を強化するほか、女性職員も乗り組めるようにトイレなどを整備する。(山元 信之)

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