名左腕・レスターが現役引退を表明 がんを乗り越えて通算200勝

「ESPN」が報じたところによると、メジャー16年間で通算200勝をマークした38歳のベテラン左腕、ジョン・レスターが現役引退を決断したようだ。レスターはレッドソックス、アスレチックス、カブス、ナショナルズ、カージナルスの5球団で合計16年間プレーし、200勝117敗、防御率3.66、2488奪三振を記録。デビューイヤーの2006年に未分化大細胞リンパ腫(血液がんの一種)と診断されたものの、抗がん剤による治療を乗り越え、オールスター選出5度、ワールドシリーズ制覇3度の名投手として活躍した。

レスターは現役引退を決めた理由について「肉体的にしんどくなってきた。1年を通して小さなことが積み重なり、パフォーマンスを阻害するようになってきたんだ」とコメント。「僕は自分のことを自分で決めたいと思っている。誰か他の人に『もう無理だ』と言われるのは嫌なんだ。『ありがとう、楽しかったよ』と言って終わりたい。それが(現役引退を決断することになった)一番の決め手かもしれないね」と語った。

がんを克服して2007年7月にメジャー復帰。翌2008年から12年連続で少なくとも171回2/3を投げ、9勝に終わった2012年を除く11度の2ケタ勝利をマークした。レッドソックス時代の2010年とカブス時代の2016年に自己最多の19勝を挙げ、2018年にはリーグ最多タイの18勝をマークして最多勝のタイトルを獲得。レッドソックス時代の2007年と2013年、カブス時代の2016年と合計3度のワールドシリーズ制覇を経験し、3度のワールドシリーズで通算4勝1敗、防御率1.77と素晴らしい成績を残している。また、2008年にはノーヒッターも達成した。

通算200勝の大台まであと7勝という状態で迎えた昨季は、ナショナルズで3勝5敗、防御率5.02に終わったが、カージナルス移籍後は4勝1敗、防御率4.36を記録。現地時間9月20日のブリュワーズ戦でマークしたシーズン7勝目で通算200勝に到達した。シーズン終了後にFAとなり、「現役続行の場合はカージナルスが再契約に興味を示している」と言われていたが、現役引退を決断。2002年のプロ入りから20年間に及ぶプロ野球選手生活に終止符を打った。

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