はじめて聴くCHARA - 乙女心に響くシングル曲ランキングTOP10  「Heaven」「タイムマシーン」「Swallowtail Butterfly」… CHARAの人気楽曲は何位?

CHARAがデビューして30年も経ったんだ…。

彼女のデビュー曲「Heaven」が、2021年の9月21日にレコードになって発売された時の、私の心の中の声は「時が経つのが早すぎる!」でした。

そんな感情を抱くのは私だけでは無いはず! 今回はCHARAが好きな乙女には懐かしく、初めて聴く方には代表曲などで是非聴いてもらいたいので、シングル曲に絞った30年の歩みをベストテンでお送りします。

第10位:「恋をした」(1993年9月9日)

8thシングル。オリコン4位を記録し、ブレイクポイントとなったサードアルバム『Violet Blue』と同時発売された直球ラブソング! サウンドは当時のクラブサウンドを取り入れながら、CHARA流の “喋りRAP” も入るキャッチーな1曲。

 恋をした そして生まれた
 恋をした そして泣きました
 恋をした そして生まれた
 恋をした そして泣きました

のフレーズは “ガチ恋を経験をしてみないと、わからない事が多いゾ” ってことを教えてくれた1曲。

第9位:「FANTASY」(2007年1月17日)

29thシングル。テーマは「悪夢」。とにかく会いにきて…。会って抱きしめ合えば、もう一度分かりあえるかもしれない…。今、起こってることって、ただの “悪い夢” で夢から覚めれば、幸せだった時に戻れるんでしょう?―― って、あまりにも切ない展開にグッとくる1曲。

ストリングスに金原千恵子、アレンジに亀田誠治と、ポピュラリティーあるミディアムバラードです。

第8位:「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」(1994年9月7日)

11thシングル。CHARAは、その時の心の中をダイレクトに歌詞やメロディー、歌い方にまで反映させるアーティストです。

当時の彼女の恋心が、見事に描かれたのが、この曲「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」。乗っけからハイテンションです! 両思いっぽいけど我慢出来ずに先走るのは女の子の方。歌い方も最高にノリが良く、聴いてる方が赤面しちゃう “好き好きビーム” 大連射。あぁ… こんなラブラブな恋。何年してないかしら、私…。

第7位:「蝶々結び」(2012年10月17日)

37thシングル。出会いや別れ、さまざまな経験を積み重ねてきたCHARAの書く “LOVE” は全てを包み込む壮大な “愛” へと成長していきます。

 泣かないで そっと
 綺麗で切ないもの数える
 君の胸を こぼれないように
 塞いでゆけるかな

曲の主人公を俯瞰して、まるで天使のように見守る彼女の温かい声に、「CHARAってこんなに柔らかい人だったかしら?」と驚く人も多い、“大人になったCHARA”では、絶対的オススメのバラードです。

第6位:「Heaven」(1991年9月21日)

ファーストシングル。私がCHARAの音楽に出逢ったのは、間違い無く “FMラジオ” でした。邦楽のR&Bという言葉も浸透していない時代、CHARAの歌唱法も相まって、まさしく “新しい日本の音楽との出会い” でした。

当時、16歳だった私はクラブ通いもまだ出来ず、「クラブってこんな音が大音量で流れているのかしら?」なんてドキドキしながらイヤホンで聴いていました。当時は、天国にいるほど彼氏にハマってる曲という認識がありましたが。後に彼がダメンズだったことを知り、“CHARAらしい” と改めて好きになった曲です。

第5位:「やさしい気持ち」(1997年4月23日)

14th シングル。YEN TOWN BANDでの爆発的なヒットで同世代の乙女の、“かわいい”、“オシャレ”、“個性的” など共通のアイコンとなったCHARA。

 手をつなごう
 手をずっとこうしていたいの
 おねがい ぎゅっと私を抱きしめて
 もうあたしを離さないで

周囲の過熱さなんて、どこ吹く風と言わんばかりに、いつも通りの「愛」を歌う彼女。8位で紹介した「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」に登場したラブラブな2人が「愛」を確かめあっているようです。

4thアルバム『Happy Toy』から参加した渡辺善太郎のまるで秘密の音楽の箱をひっくり返したかのような “カワイさ” と “カッコよさ” が混じったサウンドが、CHARAにピッタリの乙女ロック仕上がった1曲。

第4位:「大切をきずくもの」(2000年10月12日)

21thシングル。童謡のように、慈しむように歌い始めるこの曲の「あなた」は、当時、お腹の中にいたお子さんのこと。そしてお子さんへ宛てた“遺書”。

 あなたに何を告げたい?
 うたうこと。生きるのよ
 未来に何をつめたい?
 大切をきずくもの

さまざまな、愛すべき人たちへ、歌の中で常に “愛” を歌ってきた彼女。うれしさを爆発させてきた彼女に少し “陰“ があるのは “もし私がいなくなっちゃったらどうしよう” という相反する本音から、くるものでした。急に消えてしまった時に… と書いたこの曲は、全ての人の心が、優しさで満ち溢れる作品として、多くの人に愛され続けています。

第3位:「愛の自爆装置」(1992年11月1日)

5thシングル。セカンドアルバム『Soul Kiss』に収録され、コーラスに “ローリー寺西” が参加しているアッパーな1曲。クラブサウンド寄りなファーストアルバムの楽曲から、R&Bやロックテイスト溢れる “CHARAの本領発揮” が垣間見れたセカンドアルバムからシングルカットされました。

鍵盤で曲を作るCHARA。自分の声も楽器として使っているかのようなソウルともロックとも言える、“CHARAワールド” を完成させ、アルバム曲にも関わらず、ラジオなどリクエストが多く寄せられ、本格的に名前が知れ渡った楽曲です。

 わからずやのおりこうさんが
 愛することに理屈をつけました
 そして危ない装置は作られた
 ヒステリックなわがままの罰で
 大好きなあの子とはもう
 キスもできないんだよ?

人を好きになれる事って、そんな偶然みたいな出来事を見逃すなんて馬鹿げてる。とばかりにハイテンションに宣言してる2人のヴォーカルは必聴です!

第2位:「Swallowtail Butterfly~あいのうた」(1996年7月22日)

YEN TOWN BANDのファーストシングル。40代半ばの人にとって映画『スワロウテイル』は一種の社会現象だったのではないでしょうか? 大きな地震や、テロが、気づけば自分の隣で起こる―― “二十歳前後” という「これから」に夢を見た世代の、ある一定層にもたらした、映画の中の偶像と、目の前の現実に “焦燥感” や “空虚さ“ を感じた乙女は非常に多かったはず。

作詞は岩井俊二、CHARA、小林武史の共作。映画のために岩井俊二が言葉を出し、小林武史がサウンドに合うアイデアを出すさまは、CHARAいわく「国語の先生だった」と話している通りに、今までの作品の直球ストレートな “愛“ のぶつけ方では無く、何処か文学的です。

 私はうわの空で
 あなたのことを想い出したの
 そしてあいのうたが
 響きだして…
 私はあいのうたで
 あなたを探しはじめる

小林武史は歌詞にある「私」を「僕」にするように指示をしていましたが、CHARAが演じる映画の主人公の目線。そしてなによりも、彼女自身が、この歌には「私」しか合わないと譲らなかったそうです。

最近のCHARA自身のコンサートでも唄われるこの曲。イントロが流れた瞬間に胸が熱くなるのは、1996年の前を向いて良いのかと「自問自答」していた蒸し暑い、夏の終わりの匂いがするからかもしれません。

第1位:「タイムマシーン」(1997年7月21日)

15thシングル。CHARA最大のヒットアルバム『Junior Sweet』の先行シングルとしてリリースされた1曲。

 恋人はもうこない
 時代はもどらないよね
 タイムマシーンはこない
 そんな歌を歌ってた

当時の彼女は、自身の結婚や、出産など、明るいイメージで受け入れられていた中で、胸をギューっと締め付けられる意外性のあるバラード曲です。

どれだけ愛情を注いでも、気持ちを込めていても、それが一方通行だって気づいた時には、もう遅い。“タイムマシーン” なんて、この世に存在しないけど、今、自分が立っている場所が「何かの間違い」であって「やり直し」が出来るのだろうか? でも、主人公はわかってるんです。歌の最後に、

 あなたが愛する気持ちになんなきゃね

…と、今までならば、「好き」を押し通していた感情や、ダメでも「私が1番」だったCHARAの歌の主人公が、大きく成長したと思いませんか? また、歌手としても評価され、多くの音楽リスナーに愛される1曲です。起きてしまったことを後悔する主人公か、悟ってしまい途方に暮れる主人公なのか。さまざまな状況でも乙女心に響くこの曲はCHARA流の “女のブルース”。ハンカチのご用意を!

―― 以上、私の『はじめて聴くCHARA - 乙女心に響くシングル曲ランキングTOP10』でした。今回、シングルを中心にCHARAのさまざまな楽曲を、改めて聴きなおし感じたことは、彼女の好きなアーティストが “プリンス” というだけあり、あらゆるジャンルの音楽を取り込みながら成長した “かわいいミュージックモンスター” だということ。バンド活動やユニット活動など、さまざまなミュージシャンとコラボし、自分のエキスにしてきた30年間を感じました。そして “愛” を大切に唄い続ける歌手であることです。

30年間、彼女の周りで起こった出来事は、同時に30年間彼女の歌を聴いてきたリスナーにも起こり得た事柄です。恋人や、パートナー、自分の子供や、ファンに向けて、そして生きる全てのものへ。CHARAの歌詞に、自分の感情を乗せた乙女も多かったはずです。彼女が30年間唄い続けて来られたのは、「絶対に自分でしか綴れない言葉」で “愛” を表現し続けたからだと再確認出来ました。

2021年にはYEN TOWN BANDの復活や30年間をまとめた書籍『Chara's Time Machine Book』の発刊など、コロナ化でも動きを止めないCHARA。もしかすると、あなたの大切だった “愛が詰まったあの時代(とき)” に、CHARAの歌声がタイムマシーンのように心を連れていってくれるかもしれませんよ。

カタリベ: 林ともひと@muzikrecord

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