新世代UKジャズ注目のピアニスト、キット・ダウンズがECMからトリオ・アルバム発売決定

(C)Caterina Di Perri

キット・ダウンズが、トリオ・アルバム『Vermillion』を2月11日にリリースすることを発表。あわせて、同作から「Sister, Sister」の先行配信がスタートした。

2018年にECMからのリーダー・デビューを飾ったアルバム『Obsidian』では、幾つもの教会のオルガンをソロで演奏し、音色を幅広く探求。翌年リリースしたチェンバー調のアルバム『Dreamlife Of Debris』では、ピアノとオルガンの両方で、楽器の音色を大幅に拡大したことで大きな評価を得た。

『Vermillion』は、長年の仲間であるベースのペッター・エルド、ドラムスのジェームズ・マドレンとのトリオでその卓越したピアノ・トリオのサウンドを披露。

構築と解体が互いに調和し、2つの極端な部分が引き合うことで有機的な形状を生み出し、その過程で優雅でメロディアスなテーマを作り上げたている。

キットとペッターはそれぞれ5つの作品を制作。ラストの11番目の作品は、ジミ・ヘンドリックスの「Castles Made Of Sand」を抽象的にアレンジしたもので、個々の要素を注意深く解きほぐしていくように演奏している。

ガーディアン誌は、キットを「難しい音楽を自然に聴かせる不思議な才能」と賞賛しているが、本作はその証拠に、穏やかなリリシズムと大胆な創造の爆発を等しく踏みしめ、メロディへの強いこだわりを持ったピアノ・トリオによる入念なプログラムを取り揃えている作品となっている。

キットは次のようにコメントしている。

「このレコードは、私がこれまでやってきたこととは違います。これまで演奏したことのない領域、つまり、より室内楽的なサウンドに自分たちを押し込めました。複雑なリズムの要素はそのままに、これまでとは別の美学に包まれています」

初期の師であり、2016年に他界した、キットがECMの初レコーディングを捧げたピアニスト、ジョン・テイラーまで遡り、新たな音楽的挑戦を常に求めていることも語っている。

「ジョンは、しばしば予測不可能なことをすることで、音楽の本当の瞬間を追求しました。彼は新しいことを起こしたい、音楽的にリスクを取ることに執着していました。それは私が『Obsidian』でやったことであり、今私たちが『Vermillion』でやっていることだと思うのです」

■作品情報

ヴァーミリオン / Vermillion
Kit Downes, Petter Eldh, James Maddren

2022年2月11日(金) リリース
¥2,860(税込) SHM-CD UCCE-1189

視聴・予約などはこちら→jazz.lnk.to/Kit_Downes_Vermillion

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