お餅取り放題!?福井の新年恒例行事『おこない』ってどんなの?【鯖江市指定文化財】

※こちらの記事は2015年に取材したものです。

福井県鯖江市で行われる『おこない』という伝統行事を知っていますか?
2017年5月に鯖江市の指定文化財となったこの行事は、誰でも無料で参加できて、しかもお餅がもらえるらしいんです。
一体どんな行事なのか、実際に参加してきました!

おこないとは?

おこないとは簡単に言うと、餅まきのこと。
鯖江市では毎年1月から2月にかけて北中山地区と河和田地区でのみ行われる伝統行事です。

いつ頃から始まったものなのかは正確にはわからないものの、300年前には行われていたという説もあります。
「お祓いの神事」、「豊作祈願の儀式」、「仏教の喜捨の思想」などが混ざり合って餅まきという形になったそうで、お餅をまいた人は厄払い、拾った人は無病息災が約束されるとってもハッピーなお祭りなんです。

wikipediaで調べてみると、

オコナイとは、五穀豊穣を願って主に西日本の各地で年頭に行われる伝統行事である。

近畿地方を中心に中部地方から中国地方にかけて伝承されており(中略)内容は地域によって様々だが、搗いた餅を神仏に供え、その下がりを集落で分配するという儀礼を含むことが多い。古くは仏堂や寺院において行われてきたもので、のちに修正会と豊作祈願が習合して集落の年中行事に変化したと考えられる。

オコナイ(「行」「御構内」「神事」の表記)、おこないさん(「御神事」の表記)など、地方によって様々な呼称・表記がある。

とありました。

新年の餅まき自体は、西日本以外でも珍しいことではないようですが、馴染みのない地域の方にとってはとても珍しい行事に感じるのではないでしょうか。

写真は鯖江市北中山地区、戸口町の白山神社のおこないの様子。
こちらのおこないでは42歳と61歳の厄年の男性が、厄払いとしてお餅を1俵ずつまきます。

まるでバーゲンみたいな盛り上がりよう!

この日は6俵まかれたそうですが、たったの20分ほどで終了してしまったとか。
もはや戦いの域…

おこないに行ってきました!

調べていたら行きたくなってしまったので、私も行ってきました。
河和田神社のおこない!

こんな風に下でお餅を待ち受けます。

降ってきたお餅を取るだけなので難しいことは何もないのですが、軽い気持ちで行くと大変な目に合うかも!?

おこないに参加する際には気をつけなくてはならないことがあるんです。
それが服装。

不安だったので、事前に地元の方にリサーチしてみると、

上からお餅が降ってくるので、帽子は必須!
ヘルメットをかぶってくる強者もいます。
地面に落ちたお餅は泥だらけになってしまうので、軍手も必須。
汚れてもいい服装に長靴を履いていくのが基本です。
お餅を入れる袋も忘れずに!

と、かなり武装が必要なようだったので、完全武装で参加してきました。

結果は…

5〜6人で協力して、小さいお餅109個と大きいお餅が一つ。
初めての参加でしたが、思ったよりも取れて嬉しい!

一緒に参加した地元の方は、一番大きいお餅をゲットしていました。

今回参加して身を以てわかったコツは、下を向いていること。
降ってきたお餅をキャッチするのではなく、落ちたお餅を拾うのがポイントです。

地面すれすれで取り合いになるときはまさに「闘い」という感じで怖いですが、気合いで頑張りましょう!

また、泥だらけになると聞いていましたが、それよりお餅の粉で真っ白になることのほうが気になりました。
なので、しゃがむつもりがない人もおしゃれしていくのは絶対にダメ!

10分もしないでおこないは終了。
お餅がまかれている間は鬼気迫る表情をしていた参加者も、帰りは冷静で優しい鯖江人に戻っていました(笑)

鯖江市のおこないに参加しよう!

鯖江市では1月から2月にかけて、複数の神社でおこないが行われます。

2月に加多志波神社でも行われるものは『おらいし』と呼ばれ、国の重要文化財で、雨乞いのご神体でもある追儺面(ついなめん)も一般公開されるそうですよ!

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