MB離脱のジェイク・ヒルが名門ウエスト・サリー・レーシングに加入。2022年はBMWをドライブへ/BTCC

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権にチームBMWの名称でファクトリー参戦する古豪ウエスト・サリー・レーシング(WSR)は、2021年にモーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカスSTをドライブしたジェイク・ヒルの加入を発表。引き続き元F1ドライバーのマーク・ブランデル率いるMBモータースポーツからの支援を得て、今季は名門チームのFRマシンにスイッチすることとなった。

 2022年に向け新たにNAPAオートパーツとのパートナーシップにより『NAPAレーシングUK』のエントリー名へと改称するモーターベース・パフォーマンスは、2021年末の段階で近年タイトルコンテンダーとして活躍したダン・カミッシュの起用と、2020年、2021年とシリーズ連覇を達成したアシュリー・サットンの移籍加入を発表していた。

 これにより、オリー・ジャクソンとともにMBモータースポーツ・アクセラレーテッド・バイ・ブルースクエアのチームを牽引し、2021年後半戦にも2勝を挙げたヒルは、モーターベース・パフォーマンスを離脱することが確定的となっていた。

 しかしこの移籍劇は過去2シーズンの場合と同様、ブランデル率いるMBモータースポーツのサポートの元で実現し、WSRとのジョイントが決定。新たに『BMW330e M Sport』の車両名称に変更されたNGTC規定FRツーリングカーには、昨今話題の企業であるROKiT(ロキット)がタイトルスポンサーに就任する。

「僕の周囲にいてくれる素晴らしい人々のサポートのおかげで、BTCCで過ごしたここ数シーズンはどんどん手応えが良くなっている。そして今回はロキットの支援を得たうえで、WSRと一緒にMBモータースポーツとして働くことが可能になった。このWSR加入は、2022年に向け再び『何でも可能になる』ことを意味すると、心から……本当に信じているんだ」と決意を語ったヒル。

2021年はMBモータースポーツ・アクセラレーテッド・バイ・ブルースクエアのフォード・フォーカスSTをドライブした
2022年も3台体制を敷くチームBMWは、コリン・ターキントン、トム・オリファントの残留が濃厚と見られている
元F1ドライバーのマーク・ブランデル率いるMBモータースポーツの支援を得て、2021年後半戦にも2勝を挙げたヒル

■ヒルのFR車両へのスイッチは“ノープロブレム”と代表

「僕はつねにロキットグループを貫く“弱者救済”の精神を愛しており、今年は彼らを代表することも誇りに思っている。そして、WSRやBMWと一緒に仕事をすることはいつだって僕の夢だったんだ」

「より正確に……より正直に言えば、BTCCに参戦することを熱望するほとんどすべてのドライバーにとって、それは同じだと思うよ。素晴らしい人々のおかげで2022年にはそれが現実になった。これ以上の感謝はないし、僕には素晴らしい機会が与えられた。それを最大限に活用するのも僕次第だ!」

 今季も3台体制を敷く計画のWSRにあって、その最初のドライバーにヒルを指名したチーム代表のディック・ベネットも、2022年のBTCCシーズンに向けて「ロキットのサポートを得たジェイクとMBモータースポーツを迎え入れ、ジョイントチームとして参戦できることを非常にうれしく思う」と歓迎の意を示した。

「ジェイクは我々が何シーズンにもわたって注目してきた人物であり、2021年はフォードで本当に画期的なチャンピオンシップを戦い、タイトル獲得に近づいた。彼のBTCC経験は主に前輪駆動の機構によるものだが、それ以前の経歴ではGT3やサポートカテゴリーで多くの勝利を収めている」と、FR車両へのスイッチに際し“ノープロブレム”との観測を示したベネット代表。

「我々には有望なドライバーと協力し、彼らがチャンピオンになるのを支援してきた長い歴史がある。ジェイクはその次の選手になる可能性があると確信している。彼が初めてハイブリッド化されたBMW3シリーズのステアリングを握り、マーク・ブランデルと彼のチーム、そしてロキットとその忠実なパートナーとの間に、本当に強い関係を築くことを非常に楽しみにしているよ」

今回の移籍は、ブランデル率いるMBモータースポーツのサポートの元で実現し、WSRとのジョイントが決定。ROKiT(ロキット)がタイトルスポンサーに就任する
ジョイントチームを結成したマーク・ブランデル(左)、ジェイク・ヒル(中央)、そしてWSR代表のディック・ベネット
2022年は共通ハイブリッド機構搭載により、新たに『BMW330e M Sport』の車両名称に変更される

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