東京工業大学・東急電鉄・阪急電鉄が「列車内の混雑状況可視化」に関する実証実験を開始

東京工業大学、東急電鉄株式会社ならびに阪急電鉄株式会社は、協働で列車内の混雑状況の可視化に関する実証実験を2022年1月から実施する。

実証実験では、東京工業大学環境・社会理工学院の辻本研究室が開発した「列車内の混雑度解析技術」(特許出願中)の精度を検証する。列車内の混雑情報を可視化して乗車前の客にリアルタイムで提供することにより、混雑度が低い車両への乗車を促し、できるだけ混雑を避けたいという客のニーズに応えることを目指す。

実験では、列車の乗客が持つスマートフォンのブルートゥース信号を、駅に設置した「混雑解析装置」で取得し、クラウド上のAIにて混雑状況を解析。AIの解析精度を高めるため、駅のホーム上から「高速度カメラ」で撮影・測定した混雑状況なども組み合わせて、AIのチューニングを行う。なお、高速度カメラは顔識別機能を有しておらず、解析後のデータには客の個人の特定につながる情報は含まれない。さらに画像データは、東急電鉄と東京工業大学間、阪急電鉄と東京工業大学間でのみ各々取り扱い、第三者がアクセスできない環境の下で、列車内の乗車人数の解析に限定して使用し、解析完了後、速やかに削除する。

今回の実証実験は、科学技術振興機構が実施する支援事業、「SCORE」大学推進型(拠点都市環境整備型)に採択された、東京工業大学を主幹とするイノベーションデザイン・プラットフォーム(IdP)内のGAPファンドの支援により実施されており、支援終了後は、東京工業大学発のベンチャーによる事業化を目指す。

参考:【阪急電鉄株式会社】東急電鉄ならびに阪急電鉄は、東京工業大学と協働して「列車内の混雑状況の可視化」に関する実証実験を実施します(PDF)

© 大学ジャーナルオンライン