長崎県内 感染急拡大で最多160人 警戒警報発令 宿泊割の新規予約停止へ

新型コロナ感染急拡大を受け県が警戒警報を発令した13日夕、長崎市中心部のアーケードはマスクをした人が行き交っていた=同市浜町

 長崎県などは13日、県内で新型コロナウイルスの感染者が新たに160人確認されたと発表した。前日の約2倍に上り過去最多。これを受け、中村法道知事は記者会見を開き、県内の感染状況を6段階で示すレベルを「1」から「2-Ⅰ」に引き上げ、警戒警報を発令した。県内宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」は17日以降の新規予約を停止する。
 今回の第6波は昨夏の第5波に比べ、約3倍の速度で感染が急拡大。感染者の多くが新変異株「オミクロン株」と考えられるという。知事は「第6波の真っただ中に差し掛かっている。(現在11.1%の)病床使用率が15%前後の段階で、まん延防止等重点措置の適用(申請)も視野に入れたい」と述べた。宿泊割は予約済みの分は割引の対象だが、今後の感染状況で事業そのものの停止を検討。キャンセル料は県が補塡(ほてん)する。
 県によると、第6波は感染経路不明の初発事例のうち約8割が出張や帰省など県外に由来し、約1割が米軍関連。濃厚接触者ら2次感染のうち約4割が飲食関連だった。ワクチン接種済みでも陽性となる「ブレークスルー感染」も7割を超えたほか、年代別の感染者は20代が3割弱と最多だった。
 重症者はおらず無症状や軽症が多いため第5波と比べて入院率は低い。だが感染急拡大で今後病床の逼迫(ひっぱく)が懸念され、その拡充も検討。県、長崎、佐世保両市の計10保健所で感染者らの対応に当たる職員を通常の122人から、他部署の応援で最大535人にまで増やす。
 またワクチンの3回目接種推進のため、2月初旬から3月末まで県の大規模接種会場を長崎、佐世保両市に設置する。
 県は▽会食は4人以内かつ2時間以内▽感染拡大地域との不要不急の往来自粛▽感染不安を感じる場合の無料検査受検▽県外出張時の会食自粛▽時差出勤やリモートワークの推進-などを呼び掛けている。県立学校では児童生徒や同居家族に風邪症状があれば登校を控え、部活動は公式戦を除き他校との交流はしない。


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