「お金が貯まる夫婦」はどんな夫婦?相手の年収や貯蓄額は知っている?

「お金が貯まる夫婦」とは、どんな夫婦だと思いますか? 年収が高い人? それとも、節約や貯蓄にハマっている人?

さて、あなたはどのように考えるでしょうか。

今回、アンケート調査結果も参考にしながら、「お金が貯まる夫婦」について考えます。結婚している人も、今後結婚を考えている人も、ぜひご参考にしてみてください。


収入が高い夫婦でも、貯まるとは限らない?

「お金が貯まる夫婦といえば、『収入が高い夫婦』でしょう?」という声をよく聞きます。収入が高ければ、それだけ貯まる余地があるわけですから、そう思うことも無理はありません。

ところが、これまで多くの夫婦に取材をしてきた筆者が感じることは、決してそうではないということ。

収入が高い夫婦の場合、「毎月お給料が入ってくるし、なんとかなる」とどんどんお金が出ていったり、「相手の方がしっかりしているから、きっと貯めているだろう」と貯蓄をしないままだったり(と両方が同じことを思い、二人とも結局貯蓄をできていない)と、収入に見あった貯蓄ができていないことは、本当によくあることです。

そしてある日、住宅など、大きな買い物をしようとしたときに、「あれ、お互い全然貯まっていない、どうしよう」と慌ててしまうのです。

さて、あなたの場合はいかがでしょうか。また、今後結婚する予定がある方は、どんなふうに夫婦でお金の話をしたいでしょうか。

「お互いの収入もしらない。それぞれ好きお金を使っている」という夫婦もいれば、「一人が主導権を握り、お小遣いをしっかり決めて、その範囲におさめられるか、毎月チェックしている」という夫婦もいます。

筆者のこれまでの経験上、「お金が貯まる夫婦」は、「お金の話ができる夫婦」だと感じています。これは、収入が多い、少ないにかかわらず、です。それは、どういうことでしょうか。

「仲良し夫婦」のほうが、「お金の話題」が30ポイント以上高い

「お金の話ができる夫婦」は、二人で使うべきところ、そうでないところを話し合うことで、家計のムダもなくなりますし、二人あわせた貯蓄の管理もできます。一人がいいマネー情報を仕入れたら、それを共有して、上手に増やすことにもつながるでしょう。

ただし、お金の話題を出すには、「夫婦の仲が良いこと」もキーワードになりそうです。

ここで興味深い調査結果を見ていきましょう。お金のオンラインチャット相談プラットフォーム「お金の健康診断」を提供する株式会社400Fと共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングが行った意識調査(「Pontaリサーチ」2021年11月調査)から紹介します。

夫婦仲について、「良い」「良くない」と、それぞれの回答別に結果が出ています。

まず、夫婦仲が良い方が、「お金のこと」を話している割合が2倍以上多いのです。

夫婦間の会話で普段から会話している内容
「お金のこと」
夫婦仲が良い・・・55.7%
夫婦仲が良くない・・・24.3%

夫婦仲が良いと、過半数(55.7%)が、「お金のこと」を話題にしていることがわかります。

普段筆者が取材をしていると、夫婦仲が良くない場合、お金の話をするといっても「使いすぎでしょ」「足りないんだから、もっと節約してよ」といったケンカ話になるケースが多いのですが、夫婦仲が良い場合は、「これは結構高いけど、どうする?」「どれくらい貯まった?」「ボーナスが下がった(または、上がった)から、どうするか考えようか」という建設的な会話が多い印象があります。

「お金が貯まる夫婦」になるには、「お金のこと」を話すことが大切ですが、仲良し夫婦こそが、それができるとも言えます。夫婦が結婚当初から、会話がない、仲良くないということはないはずですから、できるだけ話をして、さらに「お金の話題」も入れることで、「お金が貯まる夫婦」になるのではないでしょうか。

お互いの収入や支出、貯蓄額の認識について、夫婦仲にも左右?

「Pontaリサーチ」(2021年11月調査)から、もう一つ紹介します。同じく夫婦仲が「良い」「良くない」に分けて結果が出ています。

相手の「収入総額」「支出の内訳」「持っている貯蓄額」を知っているか、という質問に、「知っている」「なんとなく知っている」「知らない」の3つの回答から選ぶ形式です。いずれも「知らない」と答えた割合が、夫婦仲によって大きな差が出ています。

相手の収入の総額を「知らない」人
夫婦仲が良い・・・10.5%
夫婦仲が良くない・・・31.1%

相手の支出の内訳を「知らない」人
夫婦仲が良い・・・21.2%
夫婦仲が良くない・・・50.8%

相手の持っている貯蓄額を「知らない」人
夫婦仲が良い・・・26.5%
夫婦仲が良くない・・・57.6%

いずれも、夫婦仲が良い場合は「知らない」と答えた割合が少なく、夫婦仲が良くない場合は「知らない」と答えた割合が大きくなっています(「なんとなく知っている」も選べるなか、「知らない」を選んでいるので、「本当に知らない」「全然知らない」ととらえてもよいでしょう)。

お互いの収入や支出、貯蓄額をある程度知っていれば、お互いのお金の使い方について疑心暗鬼になることもありませんし、「相手も貯めずに使っているから、自分もどんどん使ってしまおう」ということもありません。「お金を使いすぎかな」という際に、どちらかがブレーキをかけることもできるでしょう。

今後のお金を使う見通しがたっていれば、お金を使うべきところ、そうでないところの見極めが2人で相談しながらでき、よりよいお金の配分ができて、その分、イライラすることもなく、温和な関係が続いていくように感じます。

もちろん、相手からお金について細かく聞かれすぎることは避けたいものだと思いますが、「お金についての会話」を増やし、夫婦仲を良好に保つことも、「お金が貯まる夫婦」につながるのではと感じます。

年が明けて気持ちが新たになる時期、ぜひ夫婦仲や夫婦の「お金の話題」についても、ちょっと意識してみてください。

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