寅年の新春に「虎ケ峰」散策 龍神スポーツクラブ

虎ケ峰神社を後にし、頂を目指して登る参加者(和歌山県田辺市龍神村柳瀬で)

 和歌山県田辺市龍神村の龍神スポーツクラブ(冨田進代表)は10日、「新春歩こう会」を開き、龍神村柳瀬の虎ケ峰(789.5メートル)に登った。小学1年生から78歳までの約40人が散策を楽しんだ。

 歩こう会は定期的に開いており、年明けは初詣を兼ねて、龍神村内外の神社仏閣を訪れて周辺を散策している。今年はえとの「寅(とら)」にちなんで12年ぶりに虎ケ峰に登ることにした。

 この日は穏やかな快晴に恵まれた。集合場所の県道田辺龍神線沿いにある公衆トイレ広場で、冨田代表が参加者に、虎ケ峰の名は龍神村にある「鶴が城」から見て寅の方角に位置するとか、トラが伏せたように見えるなどの由来があると説明した。登る途中にある虎ケ峰神社は1974年、龍神村柳瀬出身で大阪に奉公に出て苦労した故・伊藤ユキさんが、故郷へのお礼と感謝を込めて、龍神村がいつまでも安泰で発展するように地域の承諾を得て私財で創建したことも話した。

 参加者は山頂までの約2.5キロをゆっくり歩き、虎ケ峰神社に立ち寄った。そばには高さ約20メートル、根元の幹回り7.3メートルで樹齢500年といわれるスギがある。高さ1メートル付近から2本に分かれているが「一本杉」と呼ばれ、その理由として、遠くから見ると1本に見えるからや、根元が1本だからといった説があるという。

 参加者で最高齢の畑地秀哉さん(78)=上富田町=は「急な坂の所もなくて登りやすいし、雰囲気も良い」と話した。寅年生まれという龍神村咲楽小学校6年の西川柊花さん(11)は「おばあちゃんに誘われて来た。山は空気がいいしまた来たい」、祖母の龍神村甲斐ノ川、西川さよみさん(71)は「母親の生まれた所が虎ケ峰神社の近くだったと聞いたことがあったので、前から訪れたいと思っていた。今日は実現できて感慨深い。帰る途中で道に少し迷ったのは、母親が娘にもっと居てほしいという願いだったのかな」と話した。

 冨田代表(73)は「12年前に開いて以来、2回目の虎ケ峰の散策で約1万歩歩いた。好天に恵まれてよかった」と話した。

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