スパイクの色は自由、ロングパンツもOKに ポニーリーグが個性や多様性を尊重

ポニーリーグは2022年も新たな取り組みに乗り出す

2022年からチーム内でスパイクの色が混在することも可

2019年には「スーパーポニーアクション」、2020年には「スーパーポニーアクション2」を発表し、指導者や保護者の怒声罵声を禁止するイエローカード制や、子どもたちの夢をサポートする奨学金制度など独自の取り組みを進めてきた日本ポニーベースボール協会(以下ポニーリーグ)が、2022年も新たな取り組みに乗り出すという。

今年から本格的にスタートさせるのが、ユニホームとしてのロングパンツ着用とチーム内でスパイクの色が混在することを認めるという取り組みだ。

小中高校生のユニホームと言えば、膝丈のパンツでストッキングを見せる“オールドスタイル”が主流だ。だが、子どもたちが憧れる国内外のプロリーグを見てみると、選手の多くはロングパンツを着用。同時に、オールドスタイルを貫く選手もいるなど、自由にスタイルを選ぶことができている。そこでポニーリーグでは、子どもたちが自分たちの個性を自由に表現する意識を受け止めようと、他リーグに先駆けてロングパンツの着用を認めることにした。

2021年に神奈川・茅ヶ崎に発足した「茅ヶ崎ブラックキャップス」では、憧れの選手と同じスタイルで野球をしたい子どもたちの意見を尊重。ポニーリーグの那須勇元事務総長に相談したところ、ロングパンツ着用も構わないという柔軟な対応を受け、ポニーリーグへの所属を決めたという。

チームとしてスパイクの色を統一する必要がないという規定が運用

今年からは本格的に運用する規定では、ユニホームのパンツの丈はチーム内で統一する必要はなく、ロングとショートが混在することを認める。

さらに、チーム内でスパイクの色が混在することも認めることにしたという。

スパイクの色と言えば「黒」が主流だったが、最近では熱中症予防の一環として比較的熱を吸収しにくい「白」に変更するチームが増加。だが、チームで色を統一するとなると、まだ履ける黒いスパイクを無駄にしたり、臨時出費として家計の負担になったりしてしまう。また、子どもの色の好みも考慮し、チームとしてスパイクの色を統一する必要がないという規定が運用される。

また、子どもたちを故障から守り、未来へ大きく羽ばたけるように送りだそうという理念を持つポニーリーグでは、協会常務理事の1人で群馬・館林にある慶友整形外科病院の古島弘三医師を中心に、故障しがちな肩肘のケアを重視。これまでコロナ禍により2年開催が見送られていたポニーフェスタを5月1日に開催し、関東連盟所属チームの選手たちを集め、肩肘に故障がないか一斉検診をする。

ポニーフェスタではさらに、4月に入部した選手の保護者を対象とする審判講習会や栄養・食事講座、監督やコーチを対象とした指導者講習会も行われる予定だ。

今年もまた、子どもたちが真剣勝負を楽しみながら伸び伸びと野球に専念できる環境を提供し続ける。(Full-Count編集部)

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