ボルボ『60/90シリーズ』プラグイン・ハイブリッドの性能が大幅向上、EV航続距離が約2倍に

 2016年より日本導入が開始されたボルボのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)機構が初の大幅刷新を受け、主力の『60シリーズ』と『90シリーズ』のリチャージ・プラグイン・ハイブリッドモデル5車種のパワートレインを一新。欧州参考値ながら、EV航続距離で約2倍という圧倒的な性能向上を実現し、1月13日より発売開始となっている。

 今回の大幅改良で対象となるのは、ボルボの中・大型車用プラットホームとなるSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ)を採用する『S60/V60/XC60/V90/XC90』の、都合5車種のPHEVモデルとなる。

 これらのモデルに搭載するパワートレインではエンジン、モーター、バッテリーのすべてを一新し、駆動用のリチウムイオン・バッテリーは充電容量を従来から約60%増となる18.8kWhとすることで、EVモードにおける航続距離の大幅な伸長が図られた。

 これによりピュアモードでのEV航続距離は最長で約70~90km(欧州参考値)となり、現行モデルのほぼ2倍を実現。日常走行での近距離ドライブではEVとして利用可能な範囲が大幅に拡大し、長距離ドライブでのエンジンを併用したハイブリッドモデルとしての利便性とともに、その魅力を大幅に高めている。

 機構の核となる2.0リッター直列4気筒直噴ターボエンジンは、さらなる高効率とドライバビリティの改善を目的に、従来搭載されていたスーパーチャージャーを廃止し、組み合わされるCISG(Crank Integrated Starter Generator/クランク・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)の出力を向上、全域での性能を高める改良が施された。

 一方でリヤに搭載された駆動用モーターの出力を、従来比約65%アップとなる107kWとすることで、EV走行時の俊敏でパワフルな電動走行と優れた回生ブレーキ性能を実現。その出力レベルは2種類が設定され、量販モデルの『60シリーズ』系に搭載される“T6”では、エンジン出力を253PS/350Nmとし、フロントで52kW/165Nm、リヤで107kW/309Nmとなるツインモーターにより、システム出力で350PSを発生。同じく“T8”ではエンジン出力を317PS/400Nmとすることで、システム出力462PSの高出力を達成している。

 また、今回のパワートレーン刷新を機に『XC60』にも新たに“T6”パワートレインが搭載され、これら対象モデルの価格は694万〜1149万円(消費税込み)となっている。

エンジン、モーター、バッテリーのすべてを一新し、駆動用のリチウムイオン・バッテリーは、充電容量を従来から約60%増となる18.8kWhに強化した
“T8”ではエンジン出力を317PS/400Nmとすることで、システム出力462PSの高出力を達成している

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