沖縄米軍の感染1カ月で4257人 クラスター1カ月、ハンセンから複数基地へ

 米軍キャンプ・ハンセン内でクラスター(感染者集団)が発生してから15日で1カ月が経過する。今も沖縄県内の米軍関係者は数百人規模の新規陽性者が連日報告され、13日には過去最多の560人の感染が報告された。昨年12月15日から1カ月間の累計は4257人(14日現在)に上った。これまでに確認された感染者の6割がこの1カ月に集中している。

 基地別でみると、ハンセンが557人で最も多く、キャンプ瑞慶覧が128人、嘉手納基地が122人と続く。

 一方、大半の3295人は「確認中」となっている。今月7日以降、全体の感染者数は県に報告されるが、基地別内訳は明らかではない。県の糸数公医療技監は「調査が追いついていない可能性もある」と話す。

 直近で内訳が判明している6日はハンセンが42人と最も多いが、他の基地にもばらけている。同じ木曜日で推移を見ると、当初はハンセンで感染者が多かったが、次第に複数の基地に広がったことが読み取れる。

 米軍が感染対策を緩和し、昨年9月から年末まで、ワクチンを2回接種している米兵は出国前検査が免除されていたことも判明した。米疾病対策センター(CDC)が米本国に入る人に検査による陰性証明を義務付ける一方で、在日米軍基地から直接日本に入る米軍関係者には検査を不要とするという、片務的な水際の防疫対応になっていた。

(明真南斗、知念征尚)
 
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