一般高齢者への3回目接種 県内10市町で月内開始、前倒しも

県内で初めて行われた一般高齢者対象の新型コロナウイルスワクチンの集団接種=2021年4月21日、小山市内

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が広がり感染者が急増する中、栃木県内市町による一般の高齢者への3回目のワクチン接種が、15日の下野市を皮切りに順次始まる。下野新聞社のまとめでは1月中に10市町が開始し、2月の第1週目までには大半が接種に着手する。当初の予定を早める自治体もあるほか、予約が混乱した1回目の教訓を生かして事前に接種日時を指定する市町も増加。感染を抑え込むため、各自治体は取り組みを加速させている。

 3回目のワクチン接種は、医療関係者や施設に入所する65歳以上の高齢者ら向けにすでに行われている。

 一般の高齢者向け接種では、県内25市町のうち18市町が個別接種と集団接種の両方を実施。集団のみは6市町、さくら市は個別のみで対応する。県では集団接種会場を設け、15日から実施する。

 一般高齢者への集団接種が最も早い下野市では、開始予定を2月から1月15日に早めた。施設入所者や介護職らの接種に一定のめどが立ったためで、余った約200人分のワクチンを活用する。宇都宮市でも2月1日予定から1週間前倒しして、1月25日から集団接種を始める。

 塩谷町が初回接種で行った、個別の接種日時を自治体側が指定する取り組みは、矢板市や上三川町など計7市町も導入。矢板市の担当者は「1、2回目と異なり、苦情の電話はほとんどない」と説明する。茂木町や市貝町ではワクチンの種類などを事前に調査し、具体的な日時を決める。

 従来通り予約を受ける自治体でも、コールセンターの回線や人員の増加など体制を強化する。宇都宮市や佐野市はインターネット予約の相談支援も実施する。

 接種券は3回目接種の時期に合わせて送付される。足利市の担当者は「週ごとにかなり細かく区切った。予約が集中することはないのではないか」と話した。

一般の高齢者への3回目接種開始予定日

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