松井慶仲の「虎図」 新春展で初公開 長崎ゆかりの絵師 長崎市歴史民俗資料館

松井慶仲の「虎図」などが並ぶ新春展=長崎市歴史民俗資料館

 長崎市平野町の市歴史民俗資料館は、今年の干支(えと)「寅(とら)」にちなんだ絵や絵馬など約40点を集めた新春展を開いている。長崎ゆかりの絵師・松井慶仲(けいちゅう)が19世紀初頭に描いたとされる「虎図」は初公開。躍動感のある虎がにらみを利かせている。
 松井慶仲(1780~1819年)は当時の本紺屋町に暮らし、商人などから依頼を受けて花や鳥獣、人物などを描いていた。残存する作品は少ないという。
 「虎図」は縦39センチ、横57センチ。同市在住の個人が所有しており、新春展に合わせて同館に貸し出した。墨で描いており、細かな筆遣いで体毛を表現し躍動感ある虎となっている。
 このほか島根や千葉など県外4県の虎の玩具も展示している。同館の学芸員で年男の永松実さん(71)は「今年は勇ましい寅年。コロナ禍に負けず、トラを見て気持ちを新たに新年を送ってほしい」と話している。3月27日まで。無料。 


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