オリオールズが本拠地左翼を拡大へ 「打高投低」の改善を目指す

オリオールズは2022年シーズンの開幕までに本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズの左翼フェンスを後退させ、フェンスを高くする工事を完了させる予定であることを発表した。同球場はメジャー有数の「打者有利の球場」として知られており、特に右打者にとって有利な構造となっている。左翼フェンスを26フィート半(約8メートル)後退させ、高さを7フィート4インチ(約2.2メートル)から13フィート(約4メートル)にすることで、「打高投低」を解消し、投打中立な環境を目指すという。

この変更は日本時間1月12日に地元紙「ボルティモア・サン」が報じ、同15日にオリオールズのマイク・エリアスGMとシグ・マイデルGM補佐が詳しく説明したものである。同球場のプレーエリアの変更は2001年シーズン開幕前にマイナーチェンジが行われて以来のことであり、開場30周年を記念したリノベーションの一環として行われるという。エリアスGMは「この球場とオリオールズの未来はとてもエキサイティングだ。しかし、開場から30年も経過しており、改修と再投資の必要がある」と話している。

エリアスGMによると、FAの投手と交渉する際に同球場の打者有利な環境がオリオールズにとって不利に作用することも多かったという。チーム再建を進めるなかで、次のステップに移行するためには「打高投低」を改善し、優秀な投手を獲得してチームの戦力を整える必要がある。そのためには打者有利な本拠地にメスを入れることが不可欠だったというわけだ。

もちろん、未熟な投手ばかりを抱える現時点では、自軍の打者の本塁打が減少する一方で、投手の被本塁打はあまり減らないといったことが十分に起こり得る。しかし、エリアスGMは中長期的に見て、「打高投低」の環境を投打中立に変えていくことがチームにとってプラスになると考えているようだ。なお、今回の変更により左翼席が約1000席ほど減少するという。これらの座席は将来的にチャリティ・オークションにかけられる予定となっている。

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