南太平洋の噴火 相模湾にも津波注意報 神奈川・三浦で30センチの潮位変化

 南太平洋のトンガ諸島で15日に起きた大規模な海底火山噴火を受け、気象庁は16日、岩手県と奄美群島・トカラ列島に津波警報、太平洋側の広い範囲に津波注意報を発表した。三浦市の三崎漁港で同日午前0時43分ごろに30センチ、油壺では午前1時47分ごろに20センチの潮位変化を観測した。

 気象庁は会見で「警報を発表している地域で被害の恐れがある。注意報を発表している地域では海の中や海岸付近は危険」と呼び掛けた。一方で、潮位変化が津波の到達予想時刻より早かった上、気圧の上昇を伴っていたことなどから、「地震に伴って発生する通常の津波とは異なる。防災上の観点から津波警報の仕組みを使って対応を呼び掛けている」とした。海外の火山噴火で今回のような現象が発生したケースはなく、「いつまで続くか分からない」とも指摘した。

 関東付近の観測状況は同日午前1時現在、銚子で30センチ、勝浦と八丈島で40センチ、大洗で60センチ、御前崎で70センチなどとなっている。

 注意報は北海道から沖縄にかけての広範囲に出ており、相模湾・三浦半島で予想される潮位変化の高さは1メートル。東京湾内湾には午前1時現在、注意報は発表されておらず、20センチ未満の海面変動が見込まれている。

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