島崎遥香「小春のことを片思いし続ける龍之介の気持ちが、私にも分かります」――「ハレ婚。」スタート直前インタビュー

ABCテレビで本日、1月16日からスタートするドラマ「ハレ婚。」。原作はNONさんによる同名漫画で、2014年の連載開始以来、登場人物たちの真っすぐな思いが丁寧に描かれ、“友情”、“結婚”に向き合うリアルな女性たちの姿が多くの読者層から共感を呼び、累計260万部を突破。また、ドラマの主題歌をL’Arc〜en〜CielのHYDEさんが担当することでも、大きな話題を集めています。

物語は、日本で唯一“一夫多妻制(=ハーレム婚、通称・ハレ婚)”が認められた街を舞台に、恋に疲れた主人公・前園小春(島崎遥香)が街に帰郷してきたところから始まります。小春は、父の経営する大事な喫茶店を閉店の危機から守るべく、突如現れた謎の男性・伊達龍之介(稲葉友)から“3人目の妻であること”を条件とした求婚を受け入れ、ゆず(柳ゆり菜)、まどか(浅川梨奈)、そして龍之介との複雑な結婚生活をスタートさせます!

今夜のドラマスタートを前に、ここでは小春を演じている島崎遥香さんのインタビューをお届け。撮影でのエピソードや島崎さんのお気に入りのシーンを伺いました。さらに、「ハレ婚。」での推しのキャラについて聞くと意外な答えが…!?

――まず、前園小春役としてオファーが来た時に感じたことを教えてください。

「小春は見るからに元気でスポーツも得意そうで、言葉遣いも少し荒くて、私とは正反対の子だなと思うんです。髪形や服装も普段しないようなものだったので、すごく意外な役というか『私にできるのかな』という不安な気持ちが実はありました。でもすごくパワフルな子だから、そういった意味では演じていて楽しいです」

――小春に共感する部分はありますか?

「行き当たりばったりなところですね。私も、思い立ったら後先考えずに行動するところがあるので、そういった部分は共感できるところがあります。そこだけではなくて、うそがつけないところや、一瞬一瞬を無駄にせずに、どんな人にも本気で向き合ってる姿もいいなと思いますし、彼女の大きな魅力だなと思います」

――役作りで髪を切られたということで、気持ちの変化や引き締まる思いはありましたか?

「髪を切ったことで小春になるぞっていう気持ちにはなりましたね。久々にこの長さに切って、アイドルの時から応援してくださっているファンの方はすごく喜んでくださっていました。個人的には…シャンプーが楽になりました(笑)」

――撮影に入る前に原作を読まれたということですが、いかがでしたか?

「『青年漫画ってどんな感じなんだろう…?』と思っていたんです。でも、女性漫画かなと思うくらいスラスラ読めて、気付いたら読み終わっちゃってました(笑)。一夫多妻制という設定に現実味はないですけど、私と同じくらいの年代でまだ結婚していない方が読んだら『結婚ってなんだろう?』と考えさせられる内容だなと思いました。その中にさらに『友情ってなんだろう?』『家族ってなんだろう?』というテーマも入ってきているので、いろいろな視点から考えさせられる作品だなと感じました」

――原作で印象的なシーンを教えてください。

「もちろん物語も好きですけど、漫画の帯に書かれている偉人の格言が印象に残っていて。(同席していたプロデューサーの『原作のNON先生とご主人の手塚だいさんが入れようと決めているみたいです』という発言を受け)あれを漫画の帯に入れようと思い立ったのがすごくいいなと思いました」

――NON先生が描く女性視点からの面白さが原作にはあると思いますが、島崎さんは原作のどんなところに魅力を感じますか?

「やっぱり女性が読んでも楽しくて、笑えるところですね。私は(原作で)奇麗な絵からギャグの絵に切り替わる瞬間が好きです。あと、これはドラマにはないんですけど、たまに出てくる、脳内会議みたいなシーンもいいですよね」

――作品全体で共感する部分はありましたか?

「全体的に龍之介のセリフに共感することが多かったんですよ。『あぁ、いいな』と思うものが結構多くて。普通の結婚をしている人に対して『本当にその人たちは幸せなの?』と言ったりする、そんな龍之介に感情移入することはありましたね」

――ちなみに、島崎さんからみて、龍之介のような男性はいかがでしょう…?

「結構好きですね(笑)。小春のことを12年も片思いし続ける龍之介の気持ちが、私にも分かります」

――ドラマで龍之介を演じている稲葉さんの印象についても伺えたらと思います。

「稲葉さんとはこれまでに共演したことがあったみたいなんですけど、実は覚えていなくて…(笑)。でも、最初から明るく接してくださいましたし、現場も盛り上げてくださっています。稲葉さんも役作りでエクステをつけて長髪になっているのですごく龍之介っぽいなと思いましたし、もし『ハレ婚。』のアニメがあったら、声もこんな感じなのかなと思いました」

――ここまでの撮影で印象に残っているエピソードはありますか?

「撮影の空きの時間があっておなかも空いていたので、稲葉さん、柳さん、浅川さんとご飯を食べに行ったんです。食事をしながら結婚とお金についての話をしたんですけど、梨奈ちゃんは若いのにもう結婚願望があってびっくりしました。結局、みんないずれは結婚したいけど、今はいいかな…という感じでしたね(笑)」

――ゆずとまどかという、小春以外の龍之介の妻も登場しますが、島崎さんから見た2人の良さはどんなところにあると思いますか?

「まどかは、内に秘めた思いが強い子でいいなと思います。ゆずは、本当にお母さんみたいな、姉御みたいな感じの包み込むような優しさがあっていいですよね」

――では、3人の妻の中で一番推すとしたら誰でしょう…?

「推しか、迷っちゃうな…(かなり考えて)その3人の中にはいないかもしれないです。私、うららちゃん(なえなの)がかわいいと思うんですよ」

――まさかの答えでびっくりしました…! うららちゃんの良さはどんなところにあると思いますか?

「内面というよりも、顔がかわいいところかなと思います(とキッパリ)」

――今作は漫画の実写化になりますが、ドラマならではのこだわりのようなものはありますか?

「オリジナリティーを出すというよりは、原作に寄せていくようにしています。監督の指示通り、やれることを全力で出したいなと思っているので」

――監督からの指示で、「これ大変だったな」ということはありましたか?

「演技というわけではないんですけど、ショートパンツの衣装は大変でした。『小春はショーパンで生足』という監督の強いこだわりがあったんです(笑)。寒いからストッキングをはきたかったんですけど、『生足で!』というリクエストがあったので頑張りました。本当に寒くて! みんなも寒さと戦いながら撮影していましたね」

――ドラマ版での島崎さんのお気に入りのシーンを教えてください。

「いっぱいありますね…タクシーに乗るシーンがあって、そこは地味に好きかもしれないです。お金がないのに高速道路に乗るか乗らないか迷うだけのシーンなんですけど、小春っぽいというか、彼女らしさが出ていると感じるシーンですね」

――「ハレ婚。」という作品はコメディーでありながら、回が進むにつれてシリアスな内容にもなっていきます。そうやって変化していく作品が持つメッセージ性はどんなものだと感じていますか?

「難しいですね…この『ハレ婚』みたいな制度がある国の方たちがこの作品を見たら、感想は私たちとはまた180度くらい変わってくるんだろうなと思います。日本にはこういった制度がないからこそ、いろいろ捉え方はあると思うし、幻想的な世界に見えるんじゃないかなと思います」

――日常的な部分と非日常的な部分が組み合わさって、本作の世界観が出来上がっているように感じます。

「確かに『ハレ婚』みたいな制度にはなじみがないですけど、人それぞれ“揺れ動く感情”というのはあると思うので、誰がみてもどこかでリンクする部分はあるんじゃないかなと思っていますね」

――では最後に、ドラマの見どころを教えてください。

「私自身、こんなに声を荒げて『おらー!』とか言っている役は初めてなので、見ている皆さんはもっと新鮮に感じるんじゃないかなと思います。結構、自分自身とのギャップがすごくて大変な時もありますけど、やりがいはありますし、後悔が残らないように頑張っています。小春みたいに、長い人生をがむしゃらに生きてる人ってなかなかいないから、ドラマを見てくださっている方にも彼女の力強いエネルギーを感じていただけるかなと思います」

【プロフィール】

島崎遥香(しまざき はるか)
1994年3月30日生まれ。埼玉県出身。牡羊座。A型。2009年にAKB48に9期生として加入。16年にグループを卒業。主な出演作は、ドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)、「警視庁 ナシゴレン課」(テレビ朝日系)、「スーパーサラリーマン左江内氏」(日本テレビ系)、「連続テレビ小説 ひよっこ」(NHK総合ほか)、映画「劇場霊」(15年)、「ニセコイ」(18年)、「翔んで埼玉」(19年)など。

【番組情報】

「ハレ婚。」
ABCテレビ
1月16日スタート
日曜 午後11:55~深夜0:25
テレビ神奈川
1月18日スタート
火曜 午後11:00~11:30
※ABCテレビで放送終了後、TVer、GYAO!にて見逃し配信あり

取材・文/平川秋胡 撮影/尾崎篤志 スタイリスト/黒瀬結以 ヘア&メーク/JunJun
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