大学共通テスト始まる 長崎県内5132人挑戦 感染対策徹底

問題用紙などが配られる中、試験開始を待つ受験生=佐世保市、県立大佐世保校

 本格的な入試シーズンの幕開けとなる大学入学共通テストが15日、全国の677会場で始まった。長崎県内では離島を含む9会場で約5千人が挑んだ。新型コロナウイルスの「オミクロン株」急拡大を受け、各会場とも感染防止策を徹底した。本試験は16日まで、体調不良者や感染者らを対象に29、30日に追試験が行われる。
 共通テストは大学入試センター試験の後継として導入され今年が2年目。全国の出願者は53万367人、県内の志願者は前年度より183人少ない5132人。
 県内の初日の科目別受験者数は地理歴史・公民4915人、国語4967人、外国語4961人、英語リスニング4943人だった。複数の資料を見比べて思考力や判断力を問う出題が目立った。
 長崎大文教キャンパス(長崎市文教町)ではマスク姿の約3千人が受験した。感染対策として、座席の間隔を1メートルほど空け、各科目が終了するたびに換気をした。濃厚接触者らの受験に備えて別室を用意。医師や看護師が待機した。リスニングでは受験生1人が機器の不具合を申し出て、再テストを受けた。
 長崎大で受験した大村高の下平桃花さん(18)は「これまでコロナ対策として教室や自宅の換気などに努め、家族も協力してくれた。今日のテストは地理や国語など手応えはある。明日も粘りきりたい」。県立上五島高で受験した同校の前田笙太朗さん(18)は「焦ることはなく、得意の英語はしっかり解けたと思う。明日も気負わずに取り組む。コロナ禍はもう2年になり、対策は身に付いている。普段通り」と笑顔で話した。
 16日は理科と数学を実施。本試験を体調不良などで欠席すると追試験に回る。いずれも受けられなかったコロナ感染者らへの救済策として、文部科学省は2次試験の個別試験のみで判定するよう各大学に要請している。

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