「高齢者にいち早く追加接種を」 大阪大・忽那医師、セミナーで呼び掛け「風邪と思った人も検査を」

オンラインセミナーで3回目接種を呼び掛ける忽那教授=11日

 神奈川県保険医協会は11日、新型コロナウイルスワクチンについて学ぶセミナーをオンラインで開いた。感染症専門医の忽那(くつな)賢志・大阪大教授が講師を務め、新変異株「オミクロン株」の収束へ、3回目接種で免疫を高める「ブースター接種」を推奨した。2回接種から数カ月が経過した高齢者の重症化を防ぐ効果が低下したデータも示し、「高齢者にいち早く追加接種を」と呼び掛けた。

 医療従事者ら約260人がオンラインで視聴。議題の中心は国内で急速に広がるオミクロン株で、忽那教授は既に主流に置き換わった海外のデータを参考に、特徴を挙げていった。

 英国では感染者が5万人に達するまでデルタ株では100日ほどかかったが、オミクロン株ではわずか30日で到達したことから「感染が広がるペースの早さが分かる」と説明。ノルウェーの研究で感染者の症状として鼻水、鼻づまり、喉の痛みがみられたことから、「従来株とは異なり風邪に似た症状。風邪と思った人もしっかり検査を」と呼び掛けた。

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