中瀬ゆかり、映画「浅草キッド」を大絶賛! 面白すぎて立て続けに「2回観ました」

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。12月23日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【"中瀬親方”による12月のおすすめ作品】

◆関脇
手記「秘闘―私の「コロナ戦争」全記録―」
岡田晴恵 著(新潮社)

感染症の専門家である岡田晴恵が、コロナウイルスとの秘められた2年間の闘いを克明に書いた告白手記。

中瀬親方のコメント「2019年のクリスマス・イブに『中国・武漢で重篤な肺炎患者が発生』というメールを受け取った岡田さんは、過去のパンデミック対策の経験から直感的に"これはまずいことになる”と感じたわけですね。そこで、いろいろなネットワークを駆使して情報を集めるんですけど、日本の初動がなぜ遅れたのかも出てきます。

以降、岡田さんは"自分が出て説明するべきだ”という使命のようなものからメディアに積極的に顔を出し、田村前厚労大臣や尾身分科会会長などとも意見を交わして、感染拡大阻止のため懸命に闘い続けるんです。その裏側での生々しいやり取りが、この手記に書かれています。

政府の対策が後手後手に回って、東京五輪開催前に第5波の大波を呼び込んでしまい、この国の矛盾と歪みが次第に明らかになっていきます。

岡田さんは、"コロナの女王”と揶揄されたことや炎上したこともあって17㎏も痩せられて、この本を書くには相当の勇気と覚悟が必要だったそうです。2年間、自分が目の当たりにしてきた真実を次世代のためにどうしても残したかったと考えてこの本を書かれたということです。

この2年間、時系列に沿って一体何が起こったのかがすぐにわかる一冊になっています。表の歴史と裏側の舞台裏で一体何があったか、すごくよくわかるので、この2年を振り返る意味でも絶対に読んだほうがいいと思う、そんな一冊です」

◆大関
小説「六人の嘘つきな大学生」
浅倉秋成 著(KADOKAWA)

"このミス(このミステリーがすごい!)”をはじめ、さまざまなミステリーランキングで上位にランキングされた話題沸騰のミステリー。

成長著しいIT企業の「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用が物語の舞台。そこで最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、1ヵ月後までにチームを作り、ディスカッションすること。波多野祥吾は、全員で内定を得ようと五人の学生たちと交流を深めていく。しかし、本番直前に課題の変更が通達されてしまう。それは、六人のなかから一人の内定者を決めること。

仲間だったはずの六人は、たった1つの席を奪い合うライバルに……内定を賭けた議論が進むなか、個人名が書かれた六通の封筒が発見される。封筒を空けると「○○は人殺しだ」という告発文が入っていた。彼らが犯した罪と嘘とは一体なんなのか。そして、犯人の目的は……。

中瀬親方のコメント「3月にこの本が出たときに買っておいたんですけど、他の本を読んでいるうちに積読になっていたんですが、あまりにも周りで『面白かった』という声があるので、"これは年内に読まなきゃいけない”と思って、最近読んだんですけど面白くてビックリしました。

著者の浅倉さんは、2019年に刊行した『教室が、ひとりになるまで』という作品が本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞にダブルノミネートされた今話題の小説家です。

彼らが犯した罪と嘘、そして犯人の目的がなんなのか、普通はここがラストのところだと思うじゃないですか。でも、実はこれはまだ序章にすぎなくて、その後に気持ちいいぐらい伏線が回収されて、イッキ読み必至で途中で(読むのを)止められなくなるようなミステリーです。

ネタバレできないのでこれ以上話せないんですけど、とにかく面白くて数々のミステリーランキングにランクインしたのも"なるほどな”と納得の一冊でした」

◆横綱
Netflix 映画「浅草キッド」
Netflixにて全世界独占配信中

幻の浅草芸人と呼ばれた師匠・深見千三郎とタケシが過ごした日々を綴ったビートたけしの自叙伝「浅草キッド」を映画化。ビートたけしを敬愛してやまない劇団ひとりが監督と脚本を務め、芸人ビートたけしの誕生秘話を描いたノスタルジックな作品。

中瀬親方のコメント「今話題になっているのでもう観た方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、私も観てみたら面白かったというか、感動しました!

昭和40年代の浅草が舞台です。大学を中退し、お笑いの殿堂と言われる『浅草フランス座』のエレベーターボーイをしていた柳楽優弥さん演じるタケシが、大泉洋さん演じる座長の深見千三郎のコントに惚れ込んで弟子入りをお願いするんです。

非常にぶっきらぼうだけど独自の世界観を持つ深見から芸事の真髄を叩き込まれていきます。タケシは、徐々に(芸を)吸収して不器用ながらも成長していくんですけど、テレビの普及とともに『浅草フランス座』の客足がどんどん減ってきて、経営が悪化するんです。

やがてタケシは、『浅草フランス座』の先輩で後のビートきよしであるキヨシに誘われて、漫才コンビ・ツービートを結成することになります。この辺の歴史はみなさんもご存知だと思います。

とにかく役者さんがみんな素晴らしくて、柳楽さんが演じるタケシは、本当にビートたけしが乗り移っているようで、深見千三郎も本物は知らないものの、おそらくこんな人だったんじゃないかというぐらい厳しいんだけどものすごく温かい魅力的な深見を大泉さんが見事に演じているし、門脇麦さんや鈴木保奈美さんといった女優さんも素晴らしい。そして、キヨシ役をナイツの土屋伸之さんが演じていて、脇を固める役者さんが素晴らしいんですよ。

3ヵ所で落涙して、2回続けて観ました。本当にすごく面白くて、世代的にビートたけしさんの初期を知っているので、ものすごくよかったです!」

中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回1月のエンタメ番付は、1月27日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。

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<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~17:59 <TOKYO MX1> 「エムキャス」でも同時配信(地上波放送エリアを除く)
メインMC:垣花正
アシスタントMC:大橋未歩(月~木)、ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/goji/
番組Twitter:@gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu

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