朝鮮の地方変革、“もう一つの理想郷” 咸鏡南道剣徳地区に新住居建設

咸鏡南道の剣徳地区をかつてない山岳峡谷都市にリニューアルする朝鮮労働党のプロジェクトに基づいて、同地区が大胆な変貌を遂げている。

昨年末に行われた党中央委員会第8期第4回総会では、建設部門の成果として剣徳地区に5千戸の住宅が新設されたことに言及。朝鮮中央通信によると、昨年12月30、31日に現地で入居式が行われた。通信は、「地方が変革する新しい時代の理想郷がもう一つ生まれた」と伝えた。

剣徳地区に新設された住宅の一部(すべて労働新聞)

 地方変革政策に基づいて

 今回住宅が竣工したのは、端川市のクムコル1洞、クムコル2洞、クムコル3洞、大興2洞、白金山洞、探査洞。深い峡谷に沿って平屋、低層、多層、高層、段々式住宅がバランスよく並んで建設された。

剣徳地区は鉛、亜鉛、マグネサイトなど地下資源が豊富で、剣徳鉱業連合企業所や龍陽鉱山、大興青年英雄鉱山などの大規模鉱物生産拠点が多数存在する。

経済上も軍事上も要衝とされる剣徳地区を一新するプロジェクト始動の契機となったのは、一昨年の9月、同地区を襲った自然災害だった。

同10月、金正恩総書記が復旧作業の進む同地区を視察した際、台風と豪雨により倒壊した住宅は新しく建設されていたが、被害を免れた住宅は古びたままで残っていた。

総書記は、半世紀前に建設した住宅がまだそのままある、災害で倒壊した家屋を新しく建てることしか考えず不便な環境で苦しむ人民の実情を知ることもできなかったとしながら、これを機に古い家屋もすべて撤去して同地区を三池淵市に次ぐ山間都市、鉱山都市のモデルとしてリニューアルする構想を示した。

昨年1月に行われた朝鮮労働党第8回大会では、新たな国家経済発展5カ年計画期間(2021~2025年)に剣徳地区に2万5千戸の住宅を建設することを決定。これに基づいて昨年、数千戸の住宅が新たに建設された。

12月30、31日に行われた入居式には、咸鏡南道人民委員会のキム・ミョンドゥ副委員長、端川地区鉱業総局、剣徳鉱業連合企業所、龍陽鉱山、大興青年英雄鉱山の活動家と住民が参加した。

演説と討論では、剣徳地区に1年足らずの短期間に数千戸の近代的な住宅が新設されて新居入りの慶事が生じたとし、党第8回大会の決定貫徹のための総進軍で自力更生、刻苦奮闘の革命精神を発揮して鉱物生産を画期的に増やすことで人民経済の重要命脈を守っていく決意が披瀝された。

入居式で踊りの輪を広げる住民ら

入居式では住宅利用許可証が授与され、活動家らが新居入りする家庭を訪れて立派な生活条件が整った文化住宅をもらって幸福に包まれている家主を祝った。

端川市クムコル1洞71人民班のカン・ヘヨンさんは、「テレビを通じてリニューアルされた三池淵市を見ながら本当にうらやましいと思ったが、今日は私にもこんな夢のような幸せが訪れた」と喜び、剣徳鉱業連合企業所クムコル鉱山4.5坑の労働者チェ・ソンイルさんは、「人民が主人の社会主義制度があって、宮殿のような新居をもらうことができた。鉱物増産の成果で恩恵に報いたい」と意気込みを語った。

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