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飲食業で導入が進んでいるKPI(ロジック)ツリーとは?
飲食業では、集客、品質、サービスの向上とコストの削減が経営指標の達成に結びつくと考えられています。
しかしこれらの多くは、ある要素の向上が別の要素の低下を招くなど、相反する関係にあるケースが多く、多くの飲食業では、リーズナブルかつハイクオリティの実現の難しさに直面しています。
それぞれの要素がお互いに干渉しあわない解決策や対策を実践する事で経営指標は大きく向上させることができ、半ば諦め状態だった飲食業でもその要素は実はまだまだ潜在しています。
昨今では、「見える化」することで潜在する課題・問題、解決策・対策を明らかにしてくれるKPI(ロジック)ツリーとKPIマネジメントの導入が進んでおり、苦戦を強いられている飲食業に適切な経営判断をもたらしてくれます。
飲食業とは
「飲食業」とは人や施設に食事を提供することで利益を得ている業種のことです。
形態としては、
- ●学校、病院、企業が備える集団給食施設
- ●独立した店舗、ホテル・小売店に付帯する食堂
の二つに大別されます。
消費者にとって、飲食は、物、形として残らないので飲食業はサービス業に分類されます。
ただ飲食業の場合、食材を仕入れ、調理して提供するので、業務内容は、小売業、製造業と通じる部分が多く、業務範囲は多岐に渡ります。
そのため、着実に利益をあげ、存続し続けるために、
- ●集客
- ●料理、サービスの質
- ●コスト
の観点でKPIを設定する必要があり、多くの飲食業では様々な施策を実践しています。
飲食業は他の業種と比べ、
- ●参入が容易なので競争激化に陥りやすい
- ●顧客の嗜好の変動により、売上・集客力が減少しやすい
といった経営環境にあるため、現状の改善で打破できない場合、退店という手段を選択するケースも珍しくありません。
昨今のコロナ禍の影響を最も強く受けている業種でもあり、現状の把握、出口戦略の画策にもKPIの活用はとても有用です。
KPI(ロジック)ツリーとは
ロジックツリーとは、問題をツリー状に分解し、その原因や解決策を論理的に探すためのフレームワークのことです。
問題を頂点とし、原因や解決策で分解し、それらを線で結んだ図が“木”に見えるため、”論理の木“とも呼ばれています。
KPIツリーは、もともと問題解決プロセスであるロジックツリーから派生したものです。
問題をKGI(Key Goal Indicator/経営目標達成指標)に、原因や解決策をKPI(Key Performance Indicat/重要業績評価指標)やそのKPIを達成するためのより細かいKPIに置き換えます。
KPIはKGIの中間目標に位置付けられ、それに紐づいた日々のアクションの実践の進捗を示します。
そのため、KPIツリーでは、他のロジックツリーと異なり、各要素の数値化を前提としています。
この各KPIの数値を進捗として、タイムリーに確認することで、KGIの達成に向けた企業の動きが管理しやすくなります。
飲食業でKPI(ロジック)ツリーが注目されている理由
飲食業では、経営指標達成の基本を集客、品質、サービス、コストとしています。
昨今では、WEB媒体による宣伝・広告を集客手段としており、様々な施策を併用することで見込み顧客を獲得しています。
品質、サービスについては、コストと相反する関係にあり、
- ●品質を向上させると食材原価が高くなる
- ●食材原価を下げると品質が下がる
など、向上には相反する関係が伴い、ユーザーの満足度を維持しつつ、これらを並行して向上できる施策の抽出が困難な状況に陥っています。
特に飲食業の場合、一度、ユーザーが不満を抱いてしまった場合、その顧客だけでなく、ユーザー評価・口コミなどを通じ、他の見込み客に共有されてしまうため、挽回は非常に困難です。
そのため飲食業の場合、品質とコストの施策は、慎重に取り組む必要があります。
それだけでなく、顧客の嗜好の変化が原因、つまり“飽きられてしまった”ことが売上減少を招いている場合もあり、課題・問題が複雑化しているケースも少なくはありません。
継続的に経営指標を向上し続けるには、より深く、高い精度で問題・課題を抽出する必要が有ります。
そこで飲食業で今注目されているのが、KPIツリーによる課題・問題の探索とKPIマネジメントによる経営指標の向上プロセスです。
昨今では、ITツール、シムテムに加え、センシング技術、IoT、AI、そしてこれらを連携するシステムにより、広大な飲食業の業務のデータが収集できるようになりました。
最先端の飲食業の現場では、収集したデータを適切に分析し、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールで「見える化」することで、より深部に潜伏する問題・課題の要因を明確にしてくれます。
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飲食業で活用されている主なKPI
飲食業は、サービス業であるものの、加工(調理)を伴うため、製造業と小売業と通ずる部分が多く、これらを合わせた飲食業特有のKPIを経営指標、効率の向上に活用しています。
分類指標概要集客HPアクセス数自店HP、飲食サイトの自店ページアクセス数予約数自店HP、飲食サイトからの予約数リピーター率2回以上、来店した客の割合来店客数注文した客の人数効率顧客回転率客席数の回転客単価1客あたりの売上コスト原価率商品の売上に占める食材費の割合FL食材費と人件費の合計FL比率FLを売上で割ったものサービス口コミ・評価飲食サイトでの評価、投稿口コミオーダー内容客が注文したメニューの統計
なお飲食業では、店舗運営だけでなく、営業・バックオフィス部門と一体で経営している企業も多く、帳票業務、労務状況などのKPIで経営指標の増減も定量的に計っています。
また飲食業では、顧客のサービス満足度を最優先としており、来店客との関係で培った独自のノウハウをKPIに設定することで他店との差別化にもつなげています。
飲食業のKPI(ロジック)ツリーの作り方
KPIの導入は、ただやみくもに指標を設定するのではなく、あらゆるデータを様々な観点で分析し、具体的なアクションとその効果まで十分に検証した上で使用する必要があります。
特に飲食業の場合、嗜好の変化による売上減少は、見込み客の枯渇と見なし、出店・退店を繰り返す“スクラップ・アンド・ビルド”という選択肢を決断する場合もあり、自店の改善だけなく、存続期限といった観点でKPIを活用する必要があります。
“スクラップ・アンド・ビルド”は店舗売上が高い初期状態(開店当初)にリセットする施策ですが、コストが膨大なため、その経営選択には様々なデータを用いた上で判断する必要があります。
改善策がまだある状況でこのような手段を選択する飲食店も実はかなり多く、有効活用の観点で表面上には見えていない潜在する課題・問題を対処することで自店の存続が伸ばせるケースも少なくはありません。
表面上に見えない課題・問題の多くは、深部に潜んでいるため視覚や推測で捉えることが難しく、それにはデジタル技術によって蓄積したデータ活用が必要不可欠です。
昨今の飲食業に導入しているシステム、機器は店舗運営だけなく、接客、加工(調理)などもデータにする機能を備えています。
取得したデータは、データベースエンジンとBIツールを活用することで、KPIロジックツリーの作成のみならず、KPIマネジメントにも活用することができます。
データを分析する
[すぐ使える!飲食業のKPI(ロジック)ツリーテンプレート(PowerPoint形式)] URL未確定
昨今の飲食業では、集客から顧客維持に至るプロセスを行うと同時に、様々なデータも収集しています。
アプリ・システム・機器から得たデータを集計・分析し、原価率、回転率、FL比率といった飲食業の指標をより下位のKPIに分解する事で今まで気が付かなった振る舞いや傾向が「見える」ようになります。
それには、システムのデータだけでなく、IoTやAIでテータ収集・分析手段を増やし、自店の業務をマクロな視点で把握できるようにする必要があります。
セグメントを分解する
セグメントとは、KGI、KPIがそれより下位のKPIの足し算で成立する場合の項を指します。
例えば、“飲食店を選ぶときに参考にした情報”の場合、情報サイト、口コミ、店舗HP・ブログ、サービス内容、クーポン、チラシ・折り込み広告などの和がKPIとして求められます。
行動を分解する
セグメントに分解したKPIをさらに分解すると、様々な“行動”が「見える化」されます。
飲食店の利用目的を分解すると、その内訳が会食、食事、喫茶であることが分かり、さらに分解することで職場、友人との会食といった“行動”に辿り着きます。
これら一つ一つが占める割合など把握することで、様々な特徴が「見える」ようになります。
指標を数式化する
飲食業では、FL(food and labor)という指標を導入し、コストの適正化を計っています。
FL比率が高い場合、“儲け”といった観点で経営状況が芳しくないことを示します。
さらに内訳を追従することで、客数減少による売上減、食材廃棄率上昇による原価増といった要因を特定することができます。
FL比率が低い場合、業務改善の効果であれば良いのですが、従業員への過剰な負担、品質の悪い原材料の使用に起因しているのであれば、後々、マイナス効果を招く恐れがあるため、逆にFL比率を上げる施策が必要になります。
FL比率は一般的に55%~65%が最適値と言われており、この範囲をキープし続けることが重要です。
仮説を立てる
データでは、KPIに設定できる可能性は示しているものの、その要素の正体が不明確なケースは実は少なくありません。
データ化が可能なものは、新たに分析する事で追従できますが、そうでないものに関しては、仮説を立てて、検証する必要があります。
仮説を明らかにするための施策は、PDCAで実践する事でより高い確度で進められます。
仮説が立証されたKPIは、上位のKPIに繋げることで経営指標の達成具合が計れるになります。
仮説の構造を明らかにする
先程紹介した仮説で更なるデータの分析でも行動に至る要素が分析できない場合、カットアンドトライ、消去法といった施策でその構造を明らかにしていきます。
これらの多くは、システムの未導入、施策の未活用に潜伏しているケースが多く、例えば、
- ●データを活用したシステムがない
- ●データの収集方法がない
- ●データの活用方法を知らない
といったことを要素としている可能性があります。
飲食業は、接客、調理の技術など、自動化されていないプロセスがかなり多く、このような領域をフォーカスすることで高い効果を得ることが期待できます。
構造の実証には比較的時間を要し、また上位のKPIに繋がらない可能性もあるため、全体のKPIから切り離した方が実証はスムーズに進みます。
KPI(ロジック)ツリーで可視化する
[すぐ使える!飲食業のKPI(ロジック)ツリーテンプレート(PowerPoint形式)] URL未確定
セグメント、行動で分解したKPIを抽象度の高い要素を頂点に置き、それの要素になるKPIを線(枝)で結びます。
これをツリーの末端となる要素(葉)まで繰り返すことでKPIツリーが完成します。
KPIツリーを作成する事で、具体的な施策に至るまでのプロセスが網羅できるようになります。
また、いざ実践をするにあたって、注入すべきマンパワーや投資なども「見える化」されるので、経営面のリスクの回避にも繋がります。
KPI向上は、設備投資で対処できるものは、即座に対応し、そうでないものは、ノウハウ、ナレッジ化といった観点で取り組むことで着実な向上が期待できます。
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飲食業のKPI(ロジック)ツリーの導入事例
飲食業で経営指標の達成を高めるにはKPIの「見える化」が必要不可欠です。
データを集約・可視化するウイングアーク1st社の「MotionBoard」を採用することでKPIツリー、KPIマネジメントに成功している飲食業の導入事例をご紹介します。
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ユナイテッド&コレクティブ株式会社
役職や業務に応じた自由な切り口とデータの可視化と徹底した内製化へのこだわりで、ユーザーが使いやすいBI環境を実現したユナイテッド&コレクティブ株式会社様の導入事例をご紹介します。
Company Profile
会社名ユナイテッド&コレクティブ株式会社本社所在地東京都港区事業内容飲食店の経営URL#### 採用の背景
以前利用していた海外製のクラウド型BI ツールは、データをグラフィカルに表示する機能は優れていたが、肝心のデータ検索や集計機能の自由度が低く、ユーザーからこんなデータを見たいというリクエストを受けるたび、個別に対応しなければならなかった。
導入のポイント
- ・クラウドベースのサービスでライセンス費も廉価なことから、全社展開が可能
- ・ウイングアークから提供されたサンプルをベースにカスタマイズできる
- ・スマートフォンに最適化されたダッシュボードを展開
導入効果
- ・Salesforce のデータを個別にExcel に取り込んで集計していた作業時間をゼロに
- ・PDCAサイクルの迅速化によるスピード経営を実現
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株式会社あきんどスシロー
30億件のデータ分析に、Dr.SumとMotionBoardを活用し、店舗の勘と経験をITが科学的に支援する店舗運営を実現した株式会社あきんどスシロー様の導入事例を紹介します。
Company Profile
会社名株式会社あきんどスシロー設立1984年6月本社所在地大阪府吹田市事業内容すしレストランの経営URL#### 採用の背景
- ・お客様に適切なタイミングで適切な商品を提供しつつ、さらなるオペレーションの効率化を追及したい。
- ・データから店舗の状況を読み取って、状況に対処するには経験と高いスキルが必要だった。
導入ポイント
- ・数十億件超のデータ分析をクラウド上で利用できるBIツール
- ・自由にユーザーへレポート提供できるライセンス体系
- ・データウェアハウスの構築まで踏み込んだBIコンサルティングの具体的な提案
導入効果
- ・勘と経験×ITで営業のPDCAサイクルを実現
- ・見たい情報へすぐにアクセスできる情報基盤の構築
- ・イレギュラーなデータ分析依頼に迅速に対応できる体制
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まとめ
今回は、「飲食業」の経営指標の達成の成功率を高めるためのKPI(ロジック)ツリーについて紹介させて頂きましたが、データ活用とBIツールが重要な役割を担うことをご理解頂けたでしょうか?
最後に今回紹介させて頂いた要約をまとめとして、以下に記載させて頂きます。
- データとBIツールを活用したKPIツリーを導入することで深部に潜在する要素を抽出することができる
- KPIツリーとKPIマネジメントを導入するには、データ収集に対応した設備、IoT、人での負担を減らすツール、システム、そして「見える化」を実現するBIツールの導入が必要不可欠
- 「見える化」とKPIツリーには、データのじかんを運営するウイングアーク1st社の「MotionBoard」で多くの企業が実践
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