ちばてつや氏が水島新司さんを悼む ライバルの出現で「私は野球を描けなくなった」

漫画家のちばてつや氏(83)が17日、自身の公式ホームページ、ブログを更新。10日に82歳で死去した漫画家・水島新司氏の訃報に触れ「彼とワシはひとつ違いの同世代。先日、『漫画家引退発表』と聞いて、あれ?どこか体調が悪いのかな…と心配はしていましたが、まさか逝ってしまうとは」と、盟友の突然の死を悼んだ。

ちばてつや氏は、水島さんと草野球仲間で「いつかコロナ禍が落ち着いたら、じじい同士でキャッチボールしようぜ、と約束していたのに…」と、水島さんと交わしていた約束がかなわなかったとした。

「ドカベン」や「野球狂の詩」、「あぶさん」などで野球漫画の第一人者となった水島さんを「元々野球マンガはピッチャーとキャッチャーにライバル、というヒーローものが定番だったが、彼の手にかかるとチームの9人一人ひとりの個性、それどころか監督や控え選手などを含むベンチワークまで綿密に描ききり、プロ野球選手を唸らせるほど専門的な目線で野球の『可能性』と『面白さ』を探り続けてきたと思う」と振り返った。

その上で水島さん、そんなあなたのすぐれた野球マンガの出現で、私は野球を描けなくなりましたよ」と、水島さんの出現で野球漫画の執筆をあきらめたエピソードを明かした。

ちばてつや氏自身も闘病中だとし「この先どなるかわからないけど、ひとまずは、お見送り、心からご冥福をお祈りします」としのび、ユニホーム姿で水島さんと肩を組み合っているイラストを掲載した。

(よろず~ニュース編集部)

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