エルヴィス・コステロが最新作のインスピレーションもとを語る

Elvis Costello - Photo: Dave J Hogan/Getty Images

エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)が公共ラジオ局NPRの“World Café”に出演し、ジ・インポスターズとの最新アルバム『The Boy Named If』収録曲の裏話や、制作のインスピレーションとなった自身の青春時代のエピソードについて語っている。彼にとって32作目のスタジオ作品となる同アルバムは、1月14日にリリースされた。

収録曲のひとつ「The Death of Magical Thinking」については、ロンドンのヒースロー空港の飛行経路にあった家で過ごした子供の頃の思い出から着想を得ていることを明かし、こう語った。

「無邪気さから恐怖やスリルへの意識の移行に伴う難題をそのまま封じ込めるようなイメージを考えていて、それが飛行機に乗ることだったんです。子供の頃、ヒースロー空港に行って、どこへでも飛べるチケットを買うのが夢でした。でも、その後どうなったと思います?飛行機に乗るのが怖くなったんですよ。16歳の時に飛行機に乗るのが怖くなり、22、3歳まで飛行機に乗ることはありませんでした。それが恐れ知らずの心を表す完璧なメタファーなんです」

一方で、収録曲のすべてが自伝的というわけではなく、例えば、アルバム3曲目の「Penelope Halfpenny」について、彼はこう解説している。

「中等学校の教師を、チョークの粉まみれになっているような典型的な人物でなく、一人の人間として描いています。彼女は、明らかに自分の職業に適していない若い女性で、おそらく別の人生を渇望している。短編小説版では、彼女がジャーナリストで、スパイか何かになりたがっていることをほのめかしています。彼女は、身の毛もよだつ、鼻水を垂らした、10代の何も知らない子供たちに英文学を教えるよりも、もっとドラマチックな人生を望んでいるのです」

Written By Emma Wilkes

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エルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズ『The Boy Named If』
2022年1月14日発売

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