安心安全な通学路へ 「スムーズ横断歩道」実証実験

えびの市・飯野小近くに設置されたスムーズ横断歩道。通行車両の減速を促し、通学路の安全確保に一役買っている

 通学路の安全確保へ、県内初の試み―。横断歩道がある路面を盛り上げ、通行する車両の減速を促す「スムーズ横断歩道」が11日、えびの市の飯野小近くの市道に試験的に設置された。通行車両の速度を調査するなどし、効果を検証する実証実験を2月6日まで実施する。関係者は「子どもたちが安心して通学できる環境の整備に一役買っている」と歓迎している。
 国土交通省と警察庁が連携し、車の減速を物理的に促す対策と、最高速度を時速30キロに制限する「ゾーン30」の交通規制を組み合わせ、通学路などの安全確保を目指す取り組みの一環。仮設も含めて全国各地に42カ所設置されている(昨年11月26日時点)。
 同市のスムーズ横断歩道は市が同省や県、県警と連携し、ゾーン30区域内に設置した。県などによると、本県では初めての取り組み。横断歩道はゴムマットなどで10センチほど盛り上げられており、横断歩道上を走行する際に減速する車両の姿が多く見られる。
 毎月1回、通学時間帯に交通安全の見守り活動をしているという民生委員の上畠久男さん(75)=えびの市原田=は「朝の慌ただしい時間帯でも、ほとんどの車が速度を落とし、横断歩道を意識して走っている」と、効果を実感していた。
 市は実証実験終了後、結果を確認し、本格的な設置に向けた検討を行う。市建設課は「今後も通学路など生活道路の安全確保に向け、取り組んでいきたい」としている。

© 株式会社宮崎日日新聞社