吉高由里子、大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝の物語「風よ あらしよ」で主演

吉高由里子が、3月下旬にNHK BS8Kで放送される特集ドラマ「風よ あらしよ」(日時未定。NHK BSプレミアム・BS4Kは今秋放送予定)に主演。大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝を演じる。

ドラマの原作は、吉川英治文学賞を受賞した村山由佳氏の同名小説。自由を求めて奔放に生き、理不尽な暴力によって28歳でその生涯を閉じた野枝の波瀾(はらん)万丈の人生を描く。野枝の第一の夫でダダイスト・辻潤を稲垣吾郎、日本を代表するアナキストで生涯のベターハーフとなる無政府主義者の大杉栄を永山瑛太が演じるほか、野枝の思想に影響を与える平塚らいてうに松下奈緒が扮(ふん)する。脚本は向田邦子賞受賞の矢島弘一氏が担当する。

吉高は「台本を見た瞬間、分厚さに驚き、読み終えると、見た目の分厚さの何倍もの重量が心におおいかぶさってきて、自分の中に取り込んだ情報を紡ぐのに、しばらく動けませんでした。文字の一つ一つの意志がとても強く、この作品を撮影するなかでどれだけ揺さぶってくる日々が来るのかと、これは大きな覚悟が必要だと感じました」と気を引き締める。

続けて「大正時代、伊藤野枝という1人の女性が危険と恐怖に戦いながら、命懸けで現代に残してくれた叫びを令和に残すのが私の使命だと思っておびえながらも、頑張りますので見届けていただけたら幸いです」と意欲を燃やしている。

原作者の村山は、吉高について「モニターに映し出された吉高由里子さんのうなじを一目見るなり、鳥肌が立った。野枝だ、野枝がそこにいる…! 圧倒的な存在感と映像の持つ威力に息をのんだ」と称賛。さらに、「史実といえど百年も昔のこと、いささか遠い話かと書く前は思っていた。そうではなかった。野枝や大杉たちが闘い、そして破れた相手は、今なおわれわれを脅かしている。命を賭してでも『NO!』と声を上げることをやめなかった彼らが、 現代を生きる私たちに何を突きつけてくるのか──ドラマ化を機にもう一度見きわめ、肚をくくり直したい」とコメントしている。

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