〈コリア・ニュース・コラム〉大規模鉱物生産拠点の風景が変わった 険しい山岳地帯での住宅建設

通行するすべての車両が防護用ネットで覆われていた。咸鏡南道剣徳地区に行く道は落石の危険と隣り合わせで、中にはフロントガラスにひびが入った車もあった。

 朝鮮の東海岸に面した端川市中心部から内陸部に約80㌔進んだ場所に剣徳鉱業連合企業所、龍陽鉱山、大興青年英雄鉱山などの大規模鉱物生産拠点が位置する剣徳地区がある。

 同地への移動は通常は鉄道を利用するというが、朝鮮新報の平壌支局一行は数年前、車で現地取材に向かった。小さな石が数回ぶつかってきたものの、大事には至らなかった。

剣徳地区に新設された住宅の一部(すべて労働新聞)

 同地は鉛、亜鉛、マグネサイトが豊富で、世界屈指の埋蔵量を誇る一方、とても険しい山岳地帯としても知られている。

 20年9月に起きた台風災害の後、復旧作業が進み、昨年からは、5カ年計画期間に2万5千戸の住宅を建設するという朝鮮労働党第8回大会(2021年1月)決定に沿って建設が推し進められている。

年初、深い峡谷に沿って建設された立派な住宅群が写真に公開された。資材の運搬だけでも困難を極めたということは想像に難しくない。それでも、同地をかつてない山岳峡谷都市にリニューアルするというプロジェクトが着実に進んでいる

 各地で住宅建設が盛んだ。両江道三池淵市は、昨年末に写真が公開されたとおり、4年間にわたる開発工事がほぼ完了し、竣工式の日を待っている状態だ。

 平壌市1万世帯建設においては、一番高い住宅とされた黎明通りの70階を超す超高層アパートも含まれているそうだ。

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