生田晴香的『2021年恐竜流行語大賞&特別賞』決定! 素晴らしき胚化石に乾杯

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こんにちは、恐竜おねえさんこと生田晴香です。2022年になり、落ち着いて2021年を振り返り『恐竜流行語大賞』を決めることができたので発表します。面白い恐竜発見があるたびにTwitterなどで「これが大賞だー」と呟いていましたが、これが完全に決定版ですので心してご覧ください。今回は特別賞もあります。

連載コラム「生田晴香、恐竜と生きる」。福井恐竜博物館 公認恐竜博士、古生物学会友の会・恐竜倶楽部メンバーでもある自他共に認める恐竜ラバーのタレント生田晴香が、恐竜の素晴らしさを隅から隅まで語り尽くす。壮大な歴史とドラマ、未解明の不思議が交差する魅惑の恐竜ワールドへ、ようこそ。- dino.network編集部

2021年恐竜流行語大賞

では、いきなりですが恐竜流行語大賞を発表します。

国民的アニメや博物館とのコラボ、日本だけではなく他の国でも圧倒的話題性…

それは、、、

『ノビタイ』 です。おめでとうございます!

[【ドラえもん×恐竜】まさかの名付けにのび太の夢叶う!? - dino.network]

前にコラムで書きましたが、中国で発見された恐竜の足跡化石の名前『エウブロンテス・ノビタイ(Eubrontes nobitai)』からのノビタイですね。

アニメ「ドラえもん」の野比のび太が自分の名前を恐竜に付けたいという夢を、ドラえもんファンの足跡化石発見者が叶えてあげようという優しさから名付けられました。

ドラえもんが絡んでくるとなると世界が騒がないはずがありません。話のネタにしやすく、特別恐竜が好きというわけではない人間にもかなりの興味を持たれ、たくさんの人間に知られる事となりました。

拍手!!
恐竜界を盛り上げてくれてありがとうございます!!

2021年恐竜流行語大賞特別賞

さて、お次は特別賞を発表します。

特別賞はこれまで作っていませんでしたが、個人的にはかなりの大ニュースだったのと「恐竜のあんな姿も見られたらいいのになぁ」とはるか昔からずーっと夢を見ていたのがついに新発見され、ドラえもんと張り合えるレベルに話題になったので今回特別に決定しました。

それは、、

『卵の中の恐竜』 2021年特別賞です。

おめでとうございます!

卵の中の恐竜とは今回は「英良(インリャン)ベビー」と呼ばれている赤ちゃん恐竜のことを指します。

発表されてからそんなに経ってないので、大きなニュースにはなりましたがまだ図鑑などには載ってないのでご紹介していきましょう!

卵の殻の中の姿

恐竜の卵の化石自体は世界各地でたくさん発見されています。卵の数がありすぎてギネス登録されている中国の博物館なんかも。

卵を見ていると、生、化石問わず殻の中身が気になりますよね。食べれるのか、どういう状態で中に赤ちゃんが入っているのか、卵を見るたびに気になって気になって開封したくなります。

2021年12月21日付の学術誌「iScience」にこんな論文が発表されました。

[An exquisitely preserved in-ovo theropod dinosaur embryo sheds light on avian-like prehatching postures] 01487-5)

ほぼ完璧に保存された恐竜の胚が発見されたと。

話の流れはこう…

2000年に中国の石材採掘会社「英良石材集団」が恐竜の卵の化石を発掘しました。中国では卵化石がよく見つかりますし、そのまま放置されていました。

2015年、博物館を開設するために化石を整理していた英良石材集団の社員さんが気付くのです。卵の表面に入った亀裂の間から、小さな骨があることに!

「中に胚があるかもしれない…!!」

卵の中に入り込んでいた石を丁寧に取り除くと、生まれる前の赤ちゃん恐竜が!まるで生きているかのような状態で出てきました。

https://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(21)01487-5

ここまで保存状態の良い胚が発見されるなんて、これは本当にとてつもなくレアな発見なのです。

ベイベイロン

これまで発見された胚といえば、卵の底にバラバラの骨が折り重なっているだけだり、ベイベイロン・シネンシス(という学名の恐竜)も素晴らしかったのですが少しわかりにくかったり、恐竜流行語大賞をとるにはあと一歩惜しい状態でした。

ですが、今回のはこんなにもはっきりと美しく誰が見ても各骨のパーツがわかりやすい状態です。これは完全に一歩抜きん出ていますね。おかげでこのことからわかることもあります。

頭は体の腹側にあり、両足は両側にあり、丸まった背中は細長い卵の片方の先端のカーブに沿っていてその後ろには空間があり、その空間に気室があったと考えられます。

www.cell.com

これは現代のニワトリの胚を連想させる姿勢でよく似ています。ニワトリの胚は成長するにつれて体がゆっくりとボールのように丸くなり、頭部は右の翼の下に包み込まれる姿勢が孵化の成功ポイントです。

ニワトリの胚ほど丸まってはいなかったのですが、ニワトリにかなり近いことがわかりました。分類的にも鳥類に近い恐竜です。

肉食恐竜などがいる獣脚類の恐竜から受け継いだ行動や体の特徴が、現代の鳥類に受け継がれている、、、(一応、鳥類は恐竜で獣脚類から進化しています。恐竜は絶滅していません)

ロマンですね。

ちなみに、今回のは約7,200万〜6,600万年前(中生代白亜紀後期)の恐竜で、オヴィラプトロサウルスかそれに近い恐竜ではないかと考えられています。

胚化石の追加発見でさらに調査できるみたいなのでまた新しい発見が楽しみですね。

というわけで!2021年は『ノビタイ』と、英良ベビー『卵の中の恐竜』が代表的な恐竜ニュースだとしっかり覚え、2022年も楽しく恐竜に注目し追っていきましょう。

シーシャでぷかぷかしながら恐竜のことについて語る生田晴香

ではまた!

生田晴香 | Haruka Ikuta
恐竜タレント。TV、CMのほかモデルとして活躍中。福井恐竜博物館の公認恐竜博士で恐竜検定所持。恐竜トークショー、クイズ、鳴き声コンテスト審査員。古生物学会友の会&恐竜倶楽部メンバー。恐竜のうた「ダイナソーDANCE」監修。実は元あやまんJAPAN。
YouTubeちゃんねる「恐竜わっしょい!」 始めました。

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