伝統のCセグ・シトロエンがクロスオーバーSUVとして復活。新型『C4/E-C4 ELECTRIC』が上陸

 戦前から続くシトロエン伝統のCセグメントハッチバックとして、完全に新しい世代のデザインとパフォーマンスを身に纏った新型『C4』と、その電動モデル『E-C4 ELECTRIC』が日本上陸。コンセプトカーの『CXPERIENCE』にインスパイアされつつも、新たにクロスオーバーSUV的な新デザインを採用し、伝説のハイドロニューマチックの現代的解釈と言えるプログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)も搭載して、1月22日(土)より発売開始となる。

 1928年から続くCセグメントモデルの系譜に連なり、近年ではWRC世界ラリー選手権で活躍を演じた『Xsara(クサラ)』や『C4』の流れを受け継ぐ直系の子孫となるニューモデルは、ガソリンとディーゼルに加え、日本のシトロエンとして初となるBEV(100%電動モーター)と、3つのパワートレインを選択可能なクロスオーバーとして生まれ変わった。

 そのエクステリアでは、日本では限定導入となった『C4カクタス』以来のデザインキーを受け継ぐハイボンネット、大径ホイールと地上高がもたらす高めのアイポイント、それでいながらクーペのようになだらかに傾斜するルーフラインと真新しいフォルムを構築。

 同時にそのルーフラインやサイドシルエットは、かつてのミドルクラスシトロエンの名車『GS』をも彷彿とさせながら、フロントグリル中央のダブルシェブロンから続くクロームのラインが左右にV字型のLEDシグネチャーライトに伸びやかに繋がる処理や、同様にV字型のデザインを採用したテールライトの造形など、どこからみても独創的で個性的というシトロエンの哲学が反映されたデザインとされている。

 インテリアではダッシュボードを横方向の広がり感を強調する水平基調とし、センター部に10インチのタッチスクリーン・インフォテイメントシステムを搭載。その下にエアアウトレット、さらに下には新たにダイヤルとプッシュボタンのフィジカルな空調コントロールを設けて運転中の操作性を向上させた。タッチパネルと物理スイッチの機能の切り分けをおこない、UI/UXの最適化と再構築が図られている。

 さらに、レーンポジショニングアシスト、アクティブクルーズコントロールなどの操作ロジックを変更し、ステアリング左に集約。シフトセレクターはクロームで仕上げたトグルスイッチを新採用し、指先の軽いタッチで操作が可能となっている。

 自慢のシートも『C5エアクロスSUV』で初導入され、その他のモデルにも順次展開されてきた“アドバンストコンフォートシート”を全車に採用。生地裏のフォームのボリュームも従来の2mmから15mmへと大幅にアップしたことで、しっとりふっかりとした比類ない柔らかさを実現し、車体の微震動をシートが吸収することで乗車時の疲労を軽減する。

大径ホイールと地上高がもたらす高めのアイポイント、それでいながらクーペのようになだらかに傾斜するルーフラインと、真新しいフォルムを構築
ダッシュボードを横方向の広がり感を強調する水平基調とし、センター部に10インチのタッチスクリーン・インフォテイメントシステムを搭載する
『C5 AIRCROSS SUV』で初導入され、その他のモデルにも順次展開されてきた”アドバンストコンフォートシート”を全車に採用している

■プログレッシブ・ハイドローリック・クッションを採用し、快適な乗り心地を追求

 さらに、シトロエンは創業以来100年以上に渡るクルマ作りのテーマ、コンフォート(快適性)をさらに追求したPHC(Progressive Hydraulic Cushions/プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)もニューモデルに搭載し、ストレスを感じないこと、居心地のよい移動空間であることも追求。

 通常のツインチューブダンパーの構造に第2のダンパーシリンダーを追加し、ストロークが進むとセカンダリーピストンがシリンダーに入り込みハイドローリックバンプストップとして作用する、いわゆる位置依存型(ポジション・センシティブ)ダンパーとなっている。

 これによりストロークスピードが低い状況では減衰力が低く抑えられ、ソフトでスムースな“ゆるフワ”な乗り心地を実現する。一方でストロークが早く大きく動く状況では、前述のセカンダリーピストンとシリンダーが産み出す減衰力で衝撃をスムースに吸収し、大きな凹凸でも底付き感のない懐の深いフィーリングがもたらされる。余計なサスペンショントラベルを減らし快適性の向上とソフトな乗り心地を実現したのに加え、純機械的な構成による高い信頼性も両立している。

 さらに、BセグメントとCセグメントをカバーする最新世代の専用プラットフォームCMP(コモン・モデュラー・プラットフォーム)のコンセプトに基づき、ディメンジョンとパワーユニットのバリエーションに高い柔軟性も備えられ、ICE(内燃機関)とBEVを混流生産することも可能に。

 インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを5年連続獲得し、傑作と称される1.2リットル“PureTech”直列3気筒直噴ガソリンターボ(130PS/230Nm)と、定評の1.5リットル“BlueHDi”ディーゼルターボ(130PS/300Nm)に加え、最高出力100kW(136PS)、最大トルク260Nmの高効率電動モーターと50kWの大容量リチウムイオンバッテリーを搭載する『E-C4 ELECTRIC』も初導入。

 一個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせ、総体積約220リットル、重量約350kgのバッテリーパック搭載に対応し、EVバージョンとなるeCMPではリヤサスペンションのトーションビームに、重量増による横方向の負荷に対応するためパナールロッドを追加するなど細かな対策も施された。航続距離はWLTCモードで405km、JC08モードで459kmとなっている。

 そのほか、助手席側のダッシュボードにタブレット端末を固定するスタンドとなる“シトロエンスマートパッドサポート”や、上級グレードのSHINEに装備されるスライディングガラスサンルーフ、容量380~1250リットル(VDA方式)まで可変し荷物の積み下ろしも配慮したフラットフロアを持つラゲッジ、そしてアクティブクルーズコントロールやレーンポジショニングアシスト、アクティブセーフティブレーキなど先進のADAS(安全運転支援機能)も備え、価格は290万~465万円(税込)となっている。

シトロエン コール TEL:0120-55-4106

まさに”魔法の絨毯のような”極めてソフトな乗り心地を提供するプログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)も搭載
H型に重量配分を考えてバッテリーを分けて効率的に配置。車両重量も1630kgに抑えられる
ACCは約30km/h~180km/hの速度域に対応。レーンポジショニングアシストは、車線の左右の白線内の任意の位置を指定して走行が可能に

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