文化庁による文化発信プロジェクト「CULTURE GATE to JAPAN」  日本の伝統文化とテクノロジーを融合させたメディア芸術作品を羽田空港などにて1月19日より展示

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文化庁による文化発信プロジェクト 「CULTURE GATE to JAPAN日本の伝統文化とテクノロジーを融合させたメディア芸術作品を羽田空港などにて119日(水)より展示

文化庁は新たなかたちの文化発信プロジェクト 「CULTURE GATE to JAPAN」 (https://culture-gate.jp/ja )による作品展示を、2022年1⽉19⽇(水)より羽田空港などにて開始いたします。本プロジェクトでは、メディア芸術のフィールドで活躍するアーティストやクリエイターが日本の文化資源を題材にアート作品を制作、空港・クルーズターミナルに展示し、日本文化の魅力を発信するもので、今回で2年目をむかえます。

羽田空港では、「掛軸」にテクノロジーと現代的な解釈を加えた「NEO-KAKEJIKU」と、「花火」をモチーフにした作品の2つのインスタレーションを展示します。

東京国際クルーズターミナルでは「MUTEK.JP」のクリエイティブディレクターなどで知られる竹川潤一氏(David Watts inc.代表)をキュレーターに迎え、「海」と人間の「心」をテーマとした映像作品展示「+A+(プラス・エー・プラス)」を開催します。

各展示概要】

<羽田空港展示>

(1) 展示タイトル:NEO-KAKEJIKU

羽田空港 第2ターミナル2階 マーケットプレイス

期間:2022年1月19日(水) 〜 2022年3月21日(月)(※)

日本文化の魅力として、伝統文化と先端技術の融合が挙げられることがあります。今回私たちはメディア芸術というテクノロジーを用いたアートやマンガ、アニメーション等のエンターテインメントを含む幅広い今日の芸術表現を、日本の伝統的な芸術鑑賞体験と接続するインスタレーション作品を、Welcome Artとして空港に展示します。

「掛軸」は表装した書画を床の間や壁などにかけ、飾りまたは観賞用としたものです。私たちはこの伝統的なメディアにテクノロジーと現代的な解釈を加え、新たな装いを持たせました。通常は絵画や書が飾られる本紙と呼ばれる中央部にモニターを設置し、現代のメディア芸術領域で活動する5組の作家が制作した映像を映し出します。

掛軸に見立てたスクリーンの中で、アーティストやクリエイターが新たな視点や手法で日本文化の魅力を表現した映像が、空港を訪れたみなさんを出迎えます。

■文化資源 × アーティスト:

・招き猫 ×AC

・水墨画 ×Creative Label nor

・和紙 × ニャムヤム

・竹取物語 × 宮崎 夏次系

・解体新書 × 吉開 菜央

(2) 展示タイトル:Transcending Prayers

羽田空港 第2ターミナル2階 マーケットプレイス

期間:2022年1月19日(水) 〜 終了日未定 (※)

世界中で親しまれている「花火」は、日本において江戸時代以降、国内各地の地域文化とともに発展し、日本を代表するモチーフとして確立されてきました。アーティストの島田清夏は、グローバルかつローカルでもある「花火」という表現を通じ、歴史や思想、美意識など、様々な概念が共存し合う複雑な日本文化の本質を探求します。

本作では、「鎮魂」と「祭り」の両面において発展してきた花火大会に着目しています。コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年を通じ国内で開催されなかった花火大会の時間的・地理的データの分析をベースに、実際の花火を打ち揚げ、失われてしまった花火大会のための花火、そしてありえたかもしれないもうひとつの世界を想起させる花火を創ります。展示は段階的に形態を変化させ、制作過程やデータシュミレーションによる映像作品と、打ち揚げた後に残された花火の筒などの部品や、撮影された映像データなどによって構成されるインスタレーション作品が順を追って展開されます。花火デザイナーとしても活躍する島田が、歴史的・文化的背景の考察をもとに、花火の持つ様々な側面を対比させた世界観を創りあげます。

■文化資源 × アーティスト:

花火 × 島田 清夏

また、羽田空港第2ターミナル 5階FLIGHT DECK TOKYOでは、2022年3月21日まで(※)昨年度の作品をモニターやパネルにて紹介しています。

※作品展示は会場の都合やコロナ感染症による影響等により、移設や展示休止の可能性がございます。最新情報は公式ウェブサイトhttps://culture-gate.jp/ja )をご確認ください。

<東京国際クルーズターミナル>

展示タイトル:+A+(プラス・エー・プラス)

東京国際クルーズターミナル 3階 大型LEDビジョン

期間:調整中

※東京国際クルーズターミナルは現在、東京都の方針により閉館しており、開館と同時に展示公開を予定しています。展示の日程等、最新情報は公式ウェブサイトhttps://culture-gate.jp/ja )をご確認ください。

”心海(しんかい)に誘うターミナルへようこそ”

東京国際クルーズターミナルから「海」を見ながら、近づいては遠くへゆらぎ、とどまることない波間に、人間社会における「時間」とは別の尺度で”とき”を感じ、自分や他者との「心」の新たなふれあいを想像しました。

「+A+(プラス・エー・プラス)」は、「+A+」という架空のコードがポート(PORT/港)に接続する「世界」を音と映像で鑑賞する展示です。「A」は、出会いや伝承を内包する港の存在と、日本文化の文脈に「"A"dapt(適応)」した海との関わりを「”A”rtist」が表現し、「"A"rchive」する文化芸術活動の過程をあらわしています。

今回展示する3組のアーティストは、文化的な視点を自らに置き、この関係性を環世界として人の「心」と「海」について捉えることで心にふれる景色へと誘い、時代を超えたうねりとして、本質的な問いに向き合う時間を刻みます。東京国際クルーズターミナルで、みなさまの「心」のなかにある「海」を発見し、芸術的に表現されてきた日本の海の文化の新たな視座を、東京湾の風景とともにご鑑賞ください。

■キュレーター:竹川潤一

■文化資源 × アーティスト:

・江嶋縁起 × 江原彩子

日本の鳥瞰図 × 大石啓明 & ながしまみのり

江戸前鰻× 滝戸ドリタ

<作家一覧>(五十音順)

AC

濃厚でハイテンションな表現と、暑苦しくリアルなイラストをベースに、TV、CM、MV等様々な媒体で話題性のある作品を生み出すクリエイティブチーム。高速紙芝居『安全運転のしおり』(2014年)が第18 回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査員推薦作品に選出。『Powder/New Tribe』(2019年)がアヌシー国際アニメーション映画祭の受託部門にノミネート。2019年度より京都芸術大学客員教授 。

・江原彩子

1985年、東京都生まれ。アーティスト、VJ。オランダのハーグ王立美術学院(KABK)を卒業後、10年以上、コンサートを中心に、エンターテインメントの世界でVJ として映像制作やオペレーションなど多数のステージを手がける。 2020 年より本格的に国内外で活動を開始。「記憶の中の原風景」をテーマにデジタルアートの分野で作品を発表する。近年の主な活動に、「MUTEK.JP」(2021年)「XRE's Ars Electronica Festival Garden NYC Portal」(2021年)など。

・大石啓明 & ながしまみのり

大石啓明

1984年、福岡県生まれ。九州大学大学院芸術工学府修了。コンピュータグラフィックスとアルゴリズムによる、身体と環境との対話性、有機的、情緒的表現を追求した映像メディア作品を制作し、教育・研究活動を行う。近年の主なプロジェクトにteamLab『憑依する滝 / Universe of Water Particles』(2013年)の映像制作、ながしまみのり『Queen of xxx』(2019年)のMV制作などを手がける。武蔵野美術大学デザイン情報学科専任講師。

ながしまみのり

音楽とアートの領域を自在に行き来しながら活動するアーティスト。 東京藝術大学卒業、慶應義塾大学大学院修了。作編曲家として舞台やファッションショー、映像作品の音楽に携わるほか、バンド「女王蜂」などに参加。アート作品や展示ディレクターとしても活動しており、近年では「ヨルノヨ -YOKOHAMA CROSS NIGHT ILLUMINATION-」(横浜市、2020年)「人体 NETWORK SYMPHONY (特別展 人体 ―神秘への挑戦―)」(国立科学博物館、2018年)など大規模作品の制作を主導。作品の音楽は自身で作曲、音響設計まで行っている。

Creative Label nor

科学者、音楽家、建築家、プログラマー、エンジニア、デザイナーなど多様なバックグラウンドをもつメンバーによって2017年に発足したアートコレクティブ。テクノロジーを活用して、自然現象そのものを作品として表現することで「科学と芸術のアウフヘーベン」の体現を目指す。アルゴリズムに従ってインクを滴下する『dyebirth』(2017年)が、第22回文化庁メディア芸術祭 アート部門審査委員会推薦作品に選出。

・島田 清夏

日本大学藝術学部映画学科卒業、東京藝術大学大学院後期博士課程在籍。映像やインスタレーション作品を中心に作品を発表する。大学在学中に花火と出会い花火の持つエネルギーに魅了され、花火ショーデザイナーとしても活動。花火を構成する要素、身体性、火薬学、文化や歴史的背景等、様々な角度で領域横断的にリサーチし、再構築することで、新たな気付きや問題を浮き彫りにすることを試みている。花火の他、火・雷・放射線、水といった現象をモチーフにした作品を制作。国内外の花火大会に花火演出家として参加。

・滝戸ドリタ

東京を拠点とし、アーティスト、デザイナーとして活動。異なる機能や感覚を組み合わせることによって、感覚がずれるような新たな体験を作り上げる。テクノロジーと洗練されたデザインを並走させながら、思考の入口を作る。『Bug’s Beat』(2017年)でPRIX ARS ELECTRONICA DIGITAL MUSICS & SOUND ART Honorary Mentions受賞およびARS ELECTRONICA STARTS Prize 2017ノミネート。 『Slime Synthesizer』(2014年)で第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞。シンガポールやオランダ での展示など国内外で活躍。

・ニャムヤム

日本の文化をこよなく愛する日英独のベテランゲームクリエイター3名による独立系開発スタジオ、ニャムヤム(Nyamyam, 英国)。日本の伝統美の一つである和紙の質感と、「しかけ絵本」の構造をビジュアルに取り込んだパズルアドベンチャーゲーム『Tengami』(2014年)で、SXSW2014, IndieCade, SOWN, Develop Showcase,Game Connection BIG Festivalでの受賞および第18 回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出。

・宮崎 夏次系

1987年宮城県生まれ、マンガ家。2010年「月間モーニング・ツー」40号より初連載『夕方までに帰るよ(講談社)』をスタート。『変身のニュース(講談社)』(2013年)が第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に選出。脱力した絵柄で日常におこる濃密な感情の渦を描く。 著書に『僕は問題ありません』(講談社)、『と、ある日のすごくふしぎ』(早川書房)、『あなたはブンちゃんの恋』(講談社)など。

・吉開 菜央

1987年山口県生まれ。映画作家・ダンサー・振付家。自らの身体感覚・情動に向き合いながら、映像・映画・CM・MVの監督や出演・振付を行う。『ほったまるびより』(2015年)が第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞。米津玄師MV『Lemon』(2018年)を出演・振付、映画『Grand Bouquet』(2019年)がカンヌ国際映画祭監督週間正式招待。

<キュレーター>

竹川潤一

1972年、新宿生まれ。David Watts inc.代表。東京と神奈川を中心に活動。人の創造性が芽生える瞬間をアートとテクノロジーの時空をこえたつながりを見出す体験としてつくりあげる。思考の異なる産業・業界を超えるプロジェクトの企画立案や演出を総合的に設計することで新しい体験を常に探求している。日本の美のメッセージを未来へ伝える活動を行う、一般社団法人PEACE NIPPON PROJECT理事。一般社団法人MUTEK Japan理事、アジア唯一の電子音楽とデジタルアートの祭典「MUTEK.JP」のクリエイティブディレクター。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――<CULTURE GATE to JAPANとは>
CULTURE GATE to JAPANは、文化庁による新たな形の文化発信プロジェクトです。本プロジェクトでは、メディア芸術のフィールドで活躍するアーティストやクリエイターが日本の文化を題材にしたアート作品を展示し、日本文化の魅力を世界へ発信しています。

主 催 : 文化庁「令和3年度空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」

展示場所 : 羽田空港、東京国際クルーズターミナル
公式ウェブサイト:https://culture-gate.jp/ja

ソース:CULTURE GATE to JAPAN 事務局 (CULTURE GATE to JAPAN Initiative)

画像添付リンク:

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画像説明:CULTURE GATE to JAPAN

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画像説明:展示タイトル:「NEO-KAKEJIKU」

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画像説明:展示タイトル:「Transcending Prayers」

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画像説明:展示タイトル:「+A+(プラス・エー・プラス)」

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画像説明:公式ウェブサイトはこちら

(日本語リリース:クライアント提供)