平野レミさん・和田誠さんの旅エッセイ、家族の夏休みをつづった一冊

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『旅の絵日記』

1989年の夏、平野レミさんと和田誠さんが息子二人とヨーロッパを旅したときのエッセイです。レミさんが日記を、絵とコラムを和田さんが担当した愉快で心温まる一冊です。

旅の絵日記
著者:和田誠/平野レミ
出版社:中央公論新社

家族四人の夏の旅は、フランスから始まった。友人で案内役の関原彰さんが同行し、七人乗りのレンタカーに乗ってさあ出発。フランス、スペイン、モナコ、イタリアを車でめぐる旅は、「だいたいの計画は立てているのだけれど、走りだしてみないと、どう変わるかわからない」。「私と子どもたちは最後にローマに着くということ以外、およそどんなコースを通るのかも知らない(聞いたけど忘れちゃった)」——。ワクワクドキドキの旅なのだ。

宿泊するホテルもその日に決める。小さな町に入ってサーカスのポスターを見れば、今夜はここに泊まろうということになる。ハプニングだっていろいろあるけれど、いつも楽天的で陽気なレミさんがいればどんなこともうまくいく。名所を見学するときも食事をするときもみんなとてもにぎやかな雰囲気で、夏休みの高揚感が伝わってきます。

旅のところどころでひと休みするような時間がせつないほど素敵です。自転車を借りてサイクリングをしたりプールで泳いだり。のんびりした空気のなか、レミさんのほがらかな声が聞こえてきそうです。当時、中学二年生の長男、唱さん、小学校四年生の次男、率さんが描いた絵や日記もとびきり楽しい。かけがえのない家族の時間がこの本に詰まっています。

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

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