【ミャンマー】テレノール、ウェーブマネー全株売却で合意[IT]

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ヤンゴンの市場で看板を掲げるウェーブマネーの代理店=20年(NNA)

ノルウェー系携帯電話テレノール・グループとミャンマー財閥のヨマ・ストラテジック・ホールディングスは18日までに、ヨマ傘下のモバイル送金最大手「ウェーブマネー」運営会社でテレノールが保有する株式51%を、ヨマに売却することで合意したと発表した。売却額は5,300万米ドル(約60億6,800万円)。テレノールは2021年2月のクーデターを受け、ミャンマーの携帯電話サービスからの撤退を表明している。

17日に両社が声明を出した。ウェーブマネーの運営会社「デジタル・マネー・ミャンマー」の筆頭株主だったテレノールが、ヨマ子会社の「ヨマMFSホールディングス」に全保有株式を売却する。売却後は、ヨマMFSが株式の9割を保有する筆頭株主となる。

クーデター前の20年5月、ヨマは中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)とモバイル決済サービスで戦略提携すると発表した。同年11月にはデジタル・マネー・ミャンマーのテレノール持ち分をヨマが買収した上で、アリババの金融子会社の出資を受け入れる予定についても明らかにしていたが遅延していた。

ヨマは、今回のテレノール株買収に伴うアリババとの提携推進については言及していない。メルヴィン・パン最高経営責任者(CEO)は買収による出資再構築を「ミャンマーに長期的な金融技術のエコシステムを構築するというヨマの願望をより強化するもの」と意義づけし、事業拡大に意欲を見せた。

ミャンマーでは11年の民政移管後の携帯電話普及で、モバイル送金市場が急拡大した。ヨマによると、ウェーブマネーの代理店は20年までに4万5,000カ所に増え、同年の送金実績は87億米ドルに達した。国内総生産(GDP)の12%に相当するという。クーデターがあった21年については「6月以降は著しい事業回復が見られる」と説明した。

テレノールは、21年2月のクーデター後、人権問題を理由にミャンマー市場からの事業撤収を急いでいる。同年7月には、国内携帯電話サービス市場2位のテレノール・ミャンマーの保有株式全てを、レバノンの投資会社M1グループに1億500万米ドルで売却すると表明した。

ただ、国軍当局による認可がいまだ得られていないほか、市民団体などがM1グループによる過去の国軍との取引を糾弾し、事業譲渡を強く非難している。

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