小田原のスーパーに「減塩弁当」 脳血管疾患死亡率が県内ワースト…予防の切り札なるか

小田原市などが考案した「豆腐ハンバーグ彩り重」(同市提供)

 新型コロナウイルスの影響で自宅での「中食」需要の高まりを背景に神奈川県小田原市は健康に配慮した弁当を地元スーパーと共同で考案し、18日から一般販売を始めた。「美食のまち」を目指す同市は脳血管疾患による死亡率が県内でトップ。塩分の取り過ぎによる高血圧が原因とみられ、守屋輝彦市長は「小田原は食材の宝庫だが、野菜たっぷりの弁当を食べて健康にも気を使って」とアピールしている。

 「野菜たっぷり(ひそかに減塩)弁当」と銘打ち、市内のスーパー「ヤオマサ」6店舗と「小田原百貨店」3店舗で販売する。同市の管理栄養士が考案したメニューを基に、豆腐ハンバーグやナスの甘辛揚げなどを2社が商品開発した。

 1日の野菜の摂取量は350グラム以上、食塩は8グラム以下が望ましいとされる。弁当はいずれも1日の必要量の3分の1に当たる120グラムの野菜が詰め込まれ、一方で食塩量は2.5グラム前後と控えめという。

 小田原百貨店栢山店(同市栢山)では11日、十八穀米を使った「野菜たっぷり唐揚げ弁当」などを先行販売。コロナ禍以前と比べて総菜コーナーの売り上げは微増傾向といい、同百貨店の担当者は「減塩の商品は薄味で敬遠されがちだが、店内の調理場で作るので工場の弁当より新鮮で味もいい」と期待を込める。

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