長崎、佐世保に「まん延防止等重点措置」 21日から外出自粛や営業時短

県からの要請

 長崎県などは18日、県内で新型コロナウイルスの感染者が新たに290人確認されたと発表した。1日当たりの感染者数としては15日の207人を上回り最多。感染急拡大に伴う専用病床逼迫(ひっぱく)の懸念から県は、年明け以降の県内陽性者の6割超を占める長崎、佐世保両市を対象に「まん延防止等重点措置」を適用するよう政府に要請した。
 政府は19日に適用を決定し、期間は21日から来月13日までの約3週間になる見通し。本県に適用されれば、昨年夏の第5波以来2回目となる。長崎、佐世保両市では不要不急の外出自粛や飲食店の営業時間短縮などを要請する。
 また中村法道知事は18日に臨時記者会見を開き、県内の感染状況を6段階で示す指標レベルを上から3番目の「2-Ⅱ」に引き上げ、県内全域に特別警戒警報を発令した。県内宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」は24日以降停止。キャンセル料は県が負担する。
 飲食店への営業時短要請は約4千店が対象。重点措置と同じ期間、午後8時までの営業時短と酒類の終日提供禁止を求める。全期間協力した場合、感染防止対策の第三者認証店、非認証店を問わず、過去の売上高に応じて中小企業や個人事業主には1日1店舗当たり3万円~10万円、大企業には上限20万円を支給する見通し。申請方法などは後日、県のホームページに掲載する。
 また新型コロナの影響で売上高が一定減少した事業者への支援も検討する。
 県によると、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は17日公表時点で78.4人で、前週の約6倍。北松小値賀町を除く20市町で確認されている。年代別では20代以下が多い。
 また入院者数は昨夏の約2倍のスピードで拡大。専用病床使用率は17日公表時点で19.4%だが、21日には35.7%に達すると試算。重症者はいないが、酸素投与が必要な「中等症2」は約10人という。宿泊施設と自宅での療養者も急増し計789人に上っている。


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