今季「味の乗りいい」 新酒仕込み作業順調 千代の光酒造

 新酒の仕込み作業が各地の酒蔵で行われている。千代の光酒造(妙高市窪松原)では順調に進んでいる。

蒸し米を広げ、塊をほぐして冷ます(14日、千代の光酒造)

 同酒造によると、14日の仕込みでは大吟醸の麹(こうじ)に使う山田錦と、特別本醸造の酒母に使う越淡麗計170キロを大釜で蒸した。2種の酒米が蒸し上がると、蔵人が手作業で冷ました上で、山田錦を麹室へ運び、越淡麗を酒母用タンクに入れていた。

酒母用タンクでのコメを溶けやすくするための作業(同)

 創業は1860年。池田剣一郎常務(38)は「地元の晩酌で必要とされる日本酒をメーンに造っている」と話す。今季について「コメが溶けて、味の乗りがいい」と語った。

 新たな取り組みとして、日本酒のフレッシュ感を保つため、瓶で貯蔵するスペースを増やしたり、火入れの方法を一部変えたりしている。また、オリジナリティー追求のため、昔ながらの造りである「生酛(きもと)」をタンク1基で取り入れている。

 「ビギナー層に響くように」(池田常務)と、甘酸っぱくて果実っぽい日本酒や、アルコール度数を低くした日本酒も造っている。

 同酒造によると、コロナ禍で落ちていた飲食店、酒店からの受注は直近3カ月、持ち直したという。

© 株式会社上越タイムス社