【高校発・みやざきSDGs】ー41ー宮崎海洋高(下) 宮崎獲れに付加価値

宮崎市の商店街でPRする生徒たち

 本県は、沿岸マグロはえ縄と近海カツオ一本釣りの漁獲量が日本一で、他の漁法も上位に入る。一方、水揚げは多いが、市場価値に乏しく、漁業者の収入に結び付かない魚種も多い。そのような魚種に付加価値を付けるため、本校と宮崎市の水産加工食品製造業の「器」とで新商品開発の共同研究「備蓄缶プロジェクト宮崎」に着手した。2016年度から18年度までは海洋科学科水産食品類型で、19年度以降は水産科学同好会で取り組んできた。

 本プロジェクトでは、まず宮崎獲(ど)れの魚を活用した缶詰を製造し、その缶詰を地元企業に災害時備蓄品として購入してもらう。そして災害発生時には、備蓄品として購入した企業から回収し、支援物資として被災地に届ける。18年7月の西日本豪雨災害の際、県内の賛同企業約130社から2500缶の缶詰を回収し、愛媛県立宇和島水産高校実習船「えひめ丸」の協力のもと、被災地の愛媛県宇和島市に備蓄缶を届けることができた。

 16年度から本年度まで、マヒマヒフレーク、切干ブリ大根、カツオのドライカレー等の商品化に成功し、ジャパンシーフードショーなどの展示商談会への参加や、新宿みやざき館KONNE(東京都)でのPR販売会等を行ってきた。今年2月13、14日には東京交通会館(同)で開催される「交通会館マルシェ」に参加し、プロモーション販売を行う予定だ。今後も水産資源を有効活用し、海の豊かさを守る取り組みを進めていきたい。
 (主幹教諭・前田修大)

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