【新型コロナ】神奈川の自宅療養者1万人超 横浜市、保健所の手順見直し

神奈川県庁

 新型コロナウイルスに感染した自宅療養者数が神奈川県内で1万人(18日時点)を超えた。昨夏の第5波を大きく上回るペースで急増したことで県内の保健所の業務が急激に逼迫(ひっぱく)しており、無料通信アプリ「LINE(ライン)」などを使って健康状態を把握するシステムへの入力遅れも目立ち始めた。県内で新規感染者が連日、千人単位で増える中、横浜市は保健所の手順の見直しに着手し、県も負担軽減策の検討を始めた。

 県によると、16日までの1週間で、オミクロン株と疑われる感染者は9割に迫った。同株は感染力が強い一方、軽症者が多いとされ、自宅療養者が急増。18日時点で1万255人を数える。第5波では千人を超えた日から1万人超となるまで1カ月を要したが、第6波はわずか10日間だった。

 急増のしわ寄せが来ているのは、自宅・宿泊療養の“入り口”である保健所の業務だ。県によると、保健所は医療機関から発生届が出されると、感染者に聞き取りを行い▽基礎疾患▽入院優先度判断スコア▽配食サービスの希望─といった情報を入力。その情報は療養中の人の体調をラインなどで確認するシステムとひも付けられ、健康状態を日々把握できるようになる。

 神奈川新聞社のまとめでは、横浜、川崎を除く県内の4保健所・4保健福祉事務所で、発生届が出ているもののシステムに未入力のまま翌日に積み残しとなっている件数は18日朝時点で1335件。オミクロン株が県内で初確認される前の昨年12月18日朝はゼロだったが、この1カ月で急増している。厚木保健福祉事務所(650件)、平塚保健福祉事務所(218件)、相模原市保健所(199件)の順で多い。

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