日光の元ゴルフ場に胴体だけの遺体 成人、死後数週間以上か 栃木県警、死体遺棄事件として捜査

遺体が発見されたゴルフ場跡地の入り口に立つ警察官=19日午後5時45分、日光市長畑

 19日午前10時45分ごろ、日光市長畑の元ゴルフ場に「スーツケースなどが捨てられている」と、近くに住む公務員男性(45)から今市署へ通報があった。駆けつけた同署員がスーツケースの中から頭部や両腕、下半身がない胴体だけの遺体を発見。付近のスポーツバッグから、遺体の一部とみられる肉片も見つかった。県警は死体遺棄事件として、20日にも同署に捜査本部を設置する方針。殺人事件の可能性もあるとみて、遺体の身元確認を急いでいる。

 県警によると、スーツケース内の遺体はビニールと段ボールで3重に包まれた状態だった。首や上腕、へそ周辺を何らかの刃物で切断されており、性別は不明。着衣は身に着けておらず、腐乱は進行していなかった。

 捜査関係者によると、遺体は体格から成人とみられる。ビニール内には赤黒く変色した血液が付着していた。スポーツバッグ内の肉片は複数あり、死後数週間以上は経過しているとみられるという。

 周辺では複数の袋のようなものも発見されており、関連を調べている。近隣住民によると、スーツケースとスポーツバッグは正月ごろからあったという。

 県警によると、スーツケース(縦約70センチ、横約60センチ、厚さ約30センチ)は銀色のプラスチック製でキャスターが付いており、鍵はかかっていなかった。約2メートル離れた位置にあった黒っぽいスポーツバッグ内の肉片も、ビニールと段ボールで包まれていた。

 遺体を巡っては18日午後5時ごろ、元ゴルフ場内を散歩していた同所、農業男性(54)がコース内の橋近くの斜面で、スーツケースとスポーツバッグを発見。その後、知り合いの公務員男性に連絡したという。

 現場の元ゴルフ場は東武日光線明神駅から西へ約3キロ。2015年9月の関東・東北豪雨で被災し、営業を停止していたが、出入りは可能な状態だった。

 県警は20日にも司法解剖を行い、死因や死亡推定時刻などの特定を図る。現場周辺も捜索し、発見されていない遺体の一部や遺留品の発見などにも努める。

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