船舶海難が倍増 コロナ禍「密」回避が要因か 長崎海保

 長崎海上保安部は、昨年1年間の管内の海難発生状況(速報値)をまとめた。船舶海難は52隻で、27隻だった前年に比べほぼ倍増。同海保は要因について「コロナ禍で『密』を避けようとして、海に出る人の絶対数が増えていると考えられる」としている。
 50隻を超えたのは2009年以来12年ぶり。船舶海難やマリンレジャーに伴う死者は3人(前年比3人増)だった。
 船舶の種類は漁船が23隻(同16隻増)で最多。プレジャーボートが21隻(同5隻増)で続いた。事故種類は衝突が24隻(46%)で例年の3倍以上となり、05年以降最も多かった。特に航行中の漁船と停船中のプレジャーボートが衝突するケースが目立った。
 長崎市脇岬町沖で昨年11月、漁船とプレジャーボートが衝突し、漁船に乗っていた男性1人が死亡。同町と同市野母崎樺島町では、釣りをしていた男性が1人ずつ亡くなった。2人ともライフジャケットを着用していた。
 同海保は「見張りが十分にされず衝突するケースが多い」として常時の見張りやライフジャケット着用、出発前の点検などを呼び掛けている。


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