選手会が機構側への逆提案を準備中 複数の米メディアが伝える

「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマン記者など複数の米メディアが伝えたところによると、メジャーリーグ選手会は先日メジャーリーグ機構から提示された案に対し、数日以内に新しい案を提示する準備をしているようだ。機構側の案はFA制度やぜいたく税の問題に踏み込むことを避けたものとなっていたが、選手会はこれを不満に思っており、有望株のサービスタイム操作や過度なタンキングの防止、サービスタイム2年以上の若手選手のサラリー増加など、選手会の主張を盛り込んだ対案を準備しているとみられる。

日本時間1月14日、機構側は主要な経済問題に関する複数の提案を行い、同12月3日にロックアウトが開始されて以降初めて本格的な労使交渉が再開された。ところが、機構側の提案にはFA制度やぜいたく税の問題への言及がなく、選手会の要望は無視される形に。機構側の提案はドラフト指名順、年俸調停、サービスタイム操作、ポストシーズン拡大などが主要な項目となっていた。

複数の米メディアによると、選手会はFA制度やぜいたく税の問題が無視されていることに不満を持っているという。選手会はFAの資格を得るまでの期間を短縮することやぜいたく税の上限ラインを大幅に上げることなどを求めており、数日以内に行われる逆提案にはこうした選手会の主張が盛り込まれるのは確実だ。

「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者などが伝えているように、スプリング・トレーニングを予定通りにスタートするために残された時間は少なくなってきている。メジャー球団同士が対戦するオープン戦は日本時間2月27日にスタートする予定だが、「ESPN」のジェフ・パッサン記者によると、来月のはじめまでに大きな進展がなければ、スプリング・トレーニングは延期される可能性が高いという。

労使交渉のもつれによるファン離れだけは絶対に避けねばならないが、双方は1994~95年の長期ストライキの反省を生かし、無事にスプリング・トレーニング、そしてレギュラーシーズンの開幕を迎えることができるのだろうか。

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