韓国の火力発電所の近隣住民らから高濃度の1級発癌物質が検出 NGOは年135人の死亡予測

韓国南東発電が運営する三千浦(サムチョンポ)火力発電所の近隣住民らの体内から全国平均よりはるかに高い1級発がん性物質が確認されたことが分かった。

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韓国環境省が最近公開した「三千浦火力発電所周辺地域の住民健康影響調査」によると、同地域の成人の体内には1級発がん物質であるナフタレン濃度が全国平均の2.42μg/gに比べ約155%高い6.18μg/gが検出された。韓国地元紙なども報じた。

近くの学校に通う小学生の場合でも、全国平均となる2.49μg/gより約38%高い3.42μg/gが検出されたことが分かった。

これらの住民が住む村は、三千浦火力発電所から500m離れており、発電所から出る飛散ダストをはじめ、騒音や悪臭など住民の健康と日常生活を脅かしているという分析が出ている。

三千浦火力発電所

エネルギーや気候変動政策の専門家で構成された非営利団体「気候ソリューション」の報告書によると、三千浦火力発電所が排出した大気汚染物質などにより、年間985人のうつ病患者が発生し、年間135人が呼吸器疾患やがん発生などで死亡すると予測している。

キム・ヒョンチョル(国民の力)慶南道議員は18日、本会議の5分自由発言において「三千浦火力発電所と近隣村の距離は500mに過ぎず、発電所の飛散ダスト、騒音、悪臭が直接住民の健康と日常生活に影響を及ぼしている」とし「発電所の排出許容基準を強化してほしいと要求したが、現在まで反映されていない」と批判した。

一方で、「慶南道は大気質改善のために《慶南道大気環境管理施行計画》を推進しているが、昌原・真珠・金海・陽山・古城・河洞の6つの市軍で指定施行されているだけで、いざ石炭火力発電所がある四川は除くかれている」と訴え、環境政策が何の実効性もないととの見方を示した。

慶南道民日報は20日、この問題を取り上げ、「近隣住民の発がん疑い物質であるナフタレン体内濃度が全国平均より大きく高いことが分かったが、慶南道レベルで顕著な対策がないのは、住民の健康より火力発電所の利益のために等しい」と批判している。

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