【気分が上がる!】バッハやブラームスなどおすすめ作品トップ20

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新しい年にふさわしいクラシック音楽のセレクションをご紹介!希望と楽観に満ちた20曲をお届けする。

お正月休みはどのように過ごされただろうか?大晦日の疲れを癒す?家族や友人と長い散歩にでかけたり、今までやったことのない新しいことをするという方もいるだろう。どのような選択をするにせよ、この20曲の音楽は、気分を高揚させ、希望と楽観主義で満たし、これからの1年を始めるのにふさわしいスタートを与えてくれることだろう。新しい年に最適なクラシック音楽のセレクションをスクロールしてご覧頂きたい。

新しい年に最適なクラシック音楽作品トップ20

20.アーン:《朝》より〈きらめく太陽〉

一日の始まりに、「昇り始め、空を彩るきらめく太陽」へのこの美しい挨拶ほどふさわしいものはないだろう!この曲は、トマス・アーン(イギリスの愛国歌《ルール・ブリタニア》の作曲者として当然ご存じだろう)が1755年に作曲した6つの短いカンタータのうちの第5番で、ジョン・ミルトンの『コムス』の一節を使っている。

<動画:The Morning: Aria: The glitt'ring Sun

19. C.P.E.バッハ:《マニフィカト》ニ長調より「わたしの魂は主をあがめ」

1749年に作曲された《マニフィカト》ニ長調」(Wq 215/H.772) の冒頭のコーラスは、1位でも、トップ20のどこの位置にあってもおかしくない作品だ。人生を肯定するような曲であり、新年の始まりにふさわしい。

18.グリソン:トッカータ ヘ長調

この、あまり知られていない作曲家のトッカータは、もっと頻繁に聴かれるべきものである。楽観主義に満たされ、足取りが軽くなるような作品だ。ジュール・グリソン(1842-96)は、ランス・ノートルダム大聖堂のオルガニスト、エティエンヌ・ロベール(1816-96)に師事し、21歳のときに彼の後を継ぎ、亡くなるまでその職を務めた。故ジェイン・パーカー=スミスの超絶技巧の演奏でお聴き頂こう。

17.スタンリー:オルガン・ヴォランタリー ニ長調 作品6の5

ジョン・スタンリー(1712-86)は2歳の時に事故で失明したが、当代随一のオルガニストであり、ヘンデルの友人で王立音楽院のマスターであった。1740年代から50年代にかけて出版された30曲のオルガンのためのヴォランタリーのうち、トランペット・ストップを駆使したこの曲は、結婚式で大変人気がある。

16.エルガー:《カラクタクス》より 第6場(終曲)

この作品は、エルガーの代表作ではない。1898年に初演された6つの場面からなるこのカンタータは、ローマ帝国の侵略と戦ったイギリスの酋長の物語である。マルバーン丘陵のイギリス軍キャンプで敗れたカラクタクスは、裁判のためにローマに連行されたが、皇帝クラウディウスに感銘を与え、恩赦を受ける。最後のシーンは、作曲者の最も熱狂的で愛国的な合唱の一つだ。フルボリュームでお楽しみ頂きたい。

15.J.シュトラウスII世:シャンパン・ポルカ

このポルカは、1858年にシュトラウスのロシア・ツアーの成功のために書かれたもので、コルク栓を開ける音が特徴の「音楽の冗談」と呼ばれるもの。新年にふさわしいクラシック音楽の一つである。この曲は居酒屋でよく歌われていた、ヤーノシュ・フスの「Mir is’ Alles Ans(どうでもいいこと)」という歌にちなんでいる。

14.ダヴ:打ち出せ、荒ぶる鐘よ

テニスンが1850年(桂冠詩人に就任したのと同じ年)に書いた詩「打ち出せ、荒ぶる鐘よ(Ring Out Wild Bells)」は、多くの作曲家により音楽化されている。これはイギリスの作曲家ジョナサン・ダヴ(1959年生まれ)が2000年に書いたもので、急速に合唱曲として人気が高まっている。彼は、この詩の第1、2、3、5、7節を、二重合唱とピアノのために書かれた《年月の移ろい》の第7楽章と最終楽章に用いている。

13.プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》(終曲)

プッチーニの晩年(1924年)に作曲されたこの偉大なオペラは、ルチアーノ・パヴァロッティによって世界的に有名になった第3幕〈誰も寝てはならぬ(Nessun Dorma)〉のテノール・ソロが最も有名である。しかし、このオペラの最後(第3幕第2場)には、同じテーマでこの圧倒的な合唱版がある。「万年の時をわれらが皇帝に!(Diecimila anni al nostro Imperatore!)」は背筋がぞくぞくするような感動を与えること請け合いだ。

12.J.シュトラウス I世:ラデツキー行進曲

ウィーンのニューイヤー・コンサートの最後を飾るのはいつもこの曲で、観客の手拍子に合わせて(ほぼ)終わる。ヨハン・シュトラウスII世の父が作曲した曲の中では圧倒的に有名で、オーストリアの将軍ヨーゼフ・ラデツキー・フォン・ラデツ(1766-1858)伯爵がイタリア軍に対する勝利を祝して書いた行進曲で、クラシック音楽の中でも新年を祝うのに最もふさわしい曲の一つである。

11.ハイドン:「はじめに神は天と地を創造(つく)られた」(《天地創造》より)

1796年から98年にかけて作曲されたこの広大な合唱曲の第2曲は、創世記の最初の言葉を荘厳な低音のソロで独唱することから始まるが、ミルトンの『失楽園』からの抜粋であるこの言葉が、ハイドンにテキストして提供された。このオラトリオの主題は、混沌が秩序に解決されること、闇が光に変わることである。バス(ラファエル)のソロの後、合唱が入り、「そして光があった!」と歌う魔法の瞬間が訪れる。

10.ヘンデル:王宮の花火のための音楽

1749年4月27日、ロンドンのグリーン・パークで行われた大規模な催しで、野外で演奏される祝典音楽の組曲をヘンデルに依頼したのは国王ジョージ2世であった。「キャサリンホイール」(花火の一種。点火するとすばやく回転し、火花と色付きの炎が表れる)が特設の「平和の殿堂」に引火して大パニックになるなど、花火大会は完全な成功とは言えなかったが、音楽は大成功を収めた。

9.ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ

エミール・ワルトトイフェル(1837-1915)は、ドイツ語のような名前だが、フランスの作曲家。人生の大半をパリで過ごし、ダンス音楽で世界的に有名になった。1870年代後半から1880年代初頭にかけて、セーヌ川が頻繁に凍結していたことから着想を得たのは間違いないが、《スケーターズ・ワルツ》は彼の最も広く知られた作品であり、国際的な成功を収めるのは1920年代に入ってからのことである。

8.J.S.バッハ:「いと高きところにホザンナ」(《ロ短調ミサ曲》より)

合唱曲の最高傑作の一つである《ロ短調ミサ曲》は、バッハの生前には一度も聴かれることがなかった。初演されたのは、バッハの死後84年が経った1834年(ベルリン)だが、作曲されたのは1733年から1738年にかけてである。プロテスタントであるバッハによるカトリックの儀式を題材にしたこの作品は、バッハの深い信仰の賜物である。第4部の冒頭で、畏敬の念を抱かせる「ホザンナ」の合唱が登場する。

7.モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲(フィナーレ) K365

1779年、モーツァルトと姉ナンネルのために「自宅用」として作曲された豪快な作品。最終楽章は外見上楽しく泡が戯れているようだが、演奏の観点からみると、モーツァルトがうなずきながらウィンクしていたに違いないと思わせる、やっかいな場面が多くある。

6.コーツ:組曲《ロンドン》

この曲は、あなたをナイツブリッジ、コヴェント・ガーデンなど、ロンドンの新春セールへとあなたを連れていくことだろう。エリック・コーツが1932年に書いたこの3楽章の組曲は、イギリスの軽音楽の中で最も人気のある作品の一つとなった。後に作曲された《ロンドン・アゲイン》組曲では、オックスフォード・ストリート、ランガム・プレイス、メイフェアが描かれている。

5.ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

ブラームスはヴァイオリンのための協奏曲を1曲のみ作曲し、その結果、ある作家が言うように「交響的な規模を持つヴァイオリンのための歌曲」という、偉大な傑作の一つを生み出した。有名なヴァイオリニストは皆、この作品をレパートリーとしている。最初に演奏したのは、ブラームスの友人であり助言者でもあったヨーゼフ・ヨアヒムで、1879年の元旦に初演された。

4.フレッチャー:打ち出せ、荒ぶる鐘よ

アルフレッド・ロード・テニスンの『イン・メモリアム(In Memoriam)』に付曲された《打ち出せ、荒ぶる鐘よ(Ring Out, Wild Bells)》をもう1曲。吹奏楽や軍楽で有名なイギリスの作曲家、パーシー・フレッチャー(1879-1932)によるものである。この曲は、特にブラック・ダイク・ミルズ・バンドとロイ・ニューサム指揮のハダスフィールド合唱協会による演奏が、センセーショナルな効果を発揮している。

3.フンメル:トランペット協奏曲

モーツァルトとアルブレヒツベルガーの弟子であるフンメルは、一時期ハイドンにも師事していた。1803年、ハイドンがトランペット協奏曲を書いたのと同じ名手、アントン・ヴァイディンガーのために、このトランペット協奏曲を作曲した。フンメルは、1804年の元旦にハイドンの後任としてアインシュタット宮廷のカペルマイスターを務め、その日にヴァイディンガーがこの素晴らしい作品の初演を行った。

2.J.シュトラウスII世:美しく青きドナウ

ウィーンの楽友協会で行われるニューイヤー・コンサートで最後から2番目に演奏され、最も有名なワルツであるこの曲は、新年を彩る楽曲コレクションには欠かせない。《美しく青きドナウ(原語ではAn der schönen, blauen Donau)》は、新年を祝うクラシック音楽の中でも最高の作品の一つで、もともとは1867年にウィーン男声合唱団のために書かれた合唱曲であった。現在では、純粋なオーケストラ曲として、オーストリアの第二の国歌となっている。

1.トムリンソン:「オールド・ラング・サイン(蛍の光)」によるファンタジア

ロバート・バーンズの詩と大晦日は、ロールスとロイス、ギルバートとサリバン、マークスとスペンサーと同じくらい、切っても切れない関係にある。バーンズは1788年にこの「オールド・ラング・サイン」の詩を書いたが、元になっているのはさらに古いスコットランドの民謡である。では、音楽は?それは簡単ではない。作曲者については、さまざまな主張があり、いまだに議論の余地がある。しかし、この曲を使った20分間の機知に富んだファンタジーの起源については、何の謎もない。

ランカシャー出身のアーネスト・トムリンソン(1924-2015)が1976年に作曲したもので、この国の偉大な軽音楽作曲家の一人である。音楽的には「クオドリベット」と呼ばれる、複数の異なる旋律を対位法的に組み合わせた曲で、通常は軽妙な手法で作曲される。トムリンソンは、楽譜の中に152もの他のポピュラーやクラシックの作品を引用していると言われている。あなたはいくつ見つけられるだろうか?

Written By uDiscover Team

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