石綿原因の中皮腫に新薬、広島大

核酸使い治験開始

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悪性胸膜中皮腫の新薬治験について説明する広島大の田原栄俊教授=20日午後、広島市

 広島大は20日、アスベスト(石綿)を吸い込むことで発症する難治性のがん「悪性胸膜中皮腫」の患者に、人間の体内でできる核酸を使った新薬を開発し、臨床試験(治験)を始めたと発表した。早ければ2026年の医薬品承認申請を目指す。核酸医薬が人体に投与されたのは国内初という。

 新薬は、体内でタンパク質をつくるのを阻害する機能を持つ核酸「マイクロRNA」を利用。胸腔内にチューブを通して投与する。細胞をがん化させる遺伝子の働きを抑え、活性酸素を増加させることで、がん細胞を死滅させるという。動物実験で腫瘍の縮小と延命効果を確認し、1月12日に患者への投与を始めた。