沖縄の感染拡大「実態反映していない可能性」 厚労省会議・脇田座長 検査と報告遅れ

 【東京】厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する有識者会議「アドバイザリーボード」の脇田隆字座長は20日、沖縄県内の感染状況について「実態を反映していない可能性がある」と指摘した。感染急拡大に伴って検査・報告体制が追いつかなくなる事態への危機感を示した。

 まん延防止等重点措置の延長や緊急事態宣言への移行の必要性については、現在の措置の効果を見極めるために「この1週間、しっかり状況を見ていく必要がある」と述べた。

 会議で示された資料によると、県内の直近1週間の10万人当たりの感染者は約673人で、全国で最も高い。感染者の年齢別では20代以下の若年層が中心で、10代以下の未成年者や60代以上の高齢者も増加傾向という。

 脇田氏は会議後の会見で、「保健所の対応が厳しくなり、検査・報告の遅れで実態が十分に把握されない状況になる可能性がある」と指摘した。

 (安里洋輔)

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