給付金は「合法的買収」 市議の発言、議長が取り消し

 本年度の一般会計補正予算案を審議した20日開催の臨時市議会(栃木県下野市)で、小谷野晴夫(こやのはるお)議長が、石川信夫(いしかわのぶお)市議の発言の取り消しを命じた。

 この日、市執行部は新型コロナウイルス対策として住民税非課税世帯や18歳以下の子どもに臨時特別給付金10万円を給付する事業費を追加する補正予算案を提出。石川氏は議案の質疑、討論で「選挙で票が欲しいための合法的買収。市長はどう考えるか」などと広瀬寿雄(ひろせとしお)市長に質問した。

 石川氏の発言を問題視した小谷野議長は、暫時休憩とし議会運営委員会を開き対応を協議。小谷野議長は休憩中に石川氏を呼び発言の「不穏当部分」の削除を求めたが、石川氏がこれに応じなかったという。

 このため、小谷野議長は議会再開後の冒頭で「発言は不穏当と認められるので地方自治法により取り消しを命じた」と通告した。

 市議会事務局によると、根拠となったのは議場の秩序維持などを定めた地方自治法129条。石川氏の発言は議事録に掲載されないという。取材に対し石川氏は「発言の取り消しには納得できない」と話した。

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