北朝鮮 白頭山10年内99%の噴火リスク 核実験が誘発する懸念も

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頂上に巨大なカルデラ湖を持つ白頭山

中朝国境の白頭山にも噴火の可能性

 南太平洋のトンガ諸島で1月15日、海底火山の大規模噴火が起きた。

 被害の全容は、まだわかっていないが、世界中から住民の安否を心配する声が上がっている。

 火山噴火は、世界の7%にあたる111の活火山が集まる日本でも懸念されてきたが、実は北朝鮮も同じように噴火リスクを抱えている。

 噴火の兆候があるとされてきたのは、中朝国境に位置する最高峰・白頭山(中国名・長白山)だ。

 白頭山は、故金日成(キム・イルソン)主席が率いる革命軍が抗日闘争を展開した「革命の聖地」であり、金一族の「白頭山血統」の象徴にもなっている。

 2018年9月には、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、金正恩(キム・ジョンウン)総書記とともに白頭山を訪問したことでも知られる。

 2016年からは、白頭山の麓である三池淵を「社会主義の理想郷」とするため、国家の一大ブロジェクトとして再開発事業を行っており、北朝鮮にとって最重要な地域なのだ。

今後10年以内の白頭山噴火の確率は99%

 だが、北朝鮮にとって聖地である白頭山は、今後噴火する懸念があると海外から指摘されてきた火山の1つである。

 白頭山は、少なくとも2840万年前から火山活動があったと分析されている。

 最大の噴火があったと考えられているのは、946年(日本では平安時代)の噴火。長く活動休止していた白頭山が、世界最大級の巨大噴火を起こし、その火山灰が北海道や東北地方にも到達したとされている。直径5キロ・メートルのカルデラが形成されたのもこの時だ。

 その後も、ほぼ100年に1回の周期で小噴火が生じており、1925年に観測された小噴火が最後となっている。

 2000年代前半には、群発地震が多発し、山頂の隆起や、山頂での温度上昇が観測されたことで、海外の研究者から、「噴火の兆候」と指摘されてきた。

 特に、2010年代に入ってから地殻変動が確認され、韓国や中国などでも噴火リスクにどのように備えるか議論されてきた。

 東北大の谷口宏充名誉教授は2012年、「2019年までに68%、2032年までには99%の確率で噴火の可能性がある」とする研究結果を発表している。

 これによれば、今後10年以内に、噴火する確率は99%となる。

核実験が白頭山の噴火リスクに影響か

 北朝鮮の過去6回の核実験も、白頭山の噴火リスクに影響を及ぼしているという見方がある。

 海外の研究者から、「核実験が噴火を誘発する可能性がある」という見解がこれまで主張されてきた。

 北朝鮮が過去に核実験を行ってきた吉洲郡豊渓里にある核実験場は、白頭山から100キロ・メートル強の距離にあるからだ。

 6回目の核実験(2017年9月)の核実験では、マグニチュード5.7~6.3と推定される地震を引き起こしたが、その後、周辺地域で地震が多発したことがわかっている。

 これまで、海外でも核実験が、火山活動を誘発したとする前例は確認できていないが、影響がまったくないとも言い切れない。

 ちなみに、北朝鮮では1月19日、党中央委員会政治局会議を開き、2018年以降は中断していた核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などの活動を再開することを示唆している。

 北朝鮮が核実験の影響をどのように認識しているかは不明だが、周辺の地域住民は、火山に余計な刺激を与えることは、やめてほしいと願っていることだろう。

八島 有佑