韓国俳優イ・ジュンギがファンミーティングでSMAPの「世界でひとつだけの花」を歌い続ける理由は草なぎ剛との共演?

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「悪の花」で、複雑な内面をもつ難役を真に迫る演技で魅せた韓国俳優イ・ジュンギ。そこで、彼がこれまで演じてきた主なキャラクターを分析。俳優人生の集大成ともいえる「悪の花」のペク・ヒソン役に、いかにしてたどり着いたのか、俳優としての軌跡を振り返ります。

「悪の花」© STUDIO DRAGON CORPORATION

刺すような眼差しで魅せた映画デビュー作

映画 『ホテル ビーナス』 2004年

イ・ジュンギのスクリーンデビュー作。草なぎ剛主演による日本映画だが、セリフは全編韓国語、撮影はロシアという異色作で、独特の無国籍感が漂う。ワケありの人々が集うホテル ビーナスを舞台に、人間模様が繰り広げられていく。幼い頃にホテルに置き去りにされた孤児で自称“殺し屋”、銃を常に手から離さないボウイを演じた。

人一倍強さに憧れる少年を、刺すような眼差しで魅せ、「この子、誰?」と思わされるほど強い印象を放った。 ちなみに、そのときの感謝の意も込めて、ジュンギのファンミーティングではSMAPの「世界でひとつだけの花」を歌い続けている。

“時代劇を魅せる俳優”の称号につながる出世作

映画 『王の男』 2005年

性別を超えた蠱惑(こわく)的美しさと繊細な演技で強烈な印象を残したイ・ジュンギ出世作。暴君で名高い燕山君(ヨンサングン/扮チャン・ジニョン)から寵愛を受ける女形芸人コンギルという、物語の鍵を握る役どころを担い、この年の新人賞を総なめした。旅芸人一座の女形で、幼なじみで花形芸人チャンセン(扮カム・ウソン)とともに一座を抜け出し都へ。ひょんなことから王に気に入られ、宮廷芸人になるが……。

相方チャンセンと孤独な王の間で、どちらへの情も捨てきれないコンギルの苦悩といじらしさに胸を締め付けられる。はかなげでありながら、華があり、芯の強さも感じられる魅力的なキャラクターを生み出したジュンギのスター性が光る。たおやかな身のこなしも、その後の「時代劇を魅せる俳優」というイ・ジュンギだけの称号につながっていく。

次回は入隊前の20代に演じた韓国ドラマの代表作をおさらいします。


TEXT:高橋尚子(編集・ライター)

Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)